球児たちが抱く侍ジャパンへの憧れ だからこそ“格好いい存在”であれ

[ 2017年2月1日 09:30 ]

昨夏の高校日本代表メンバー
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 昨年の高校野球シーンを湧かせた高校球児たちが、続々と進学先の大学野球部へ入寮、合流している。その中で、ある大学に合流した高校生選手のひと言が胸に刺さった。

 ドラフト候補にも挙がっていたが、夏の甲子園出場を逃した投手。ギリギリまでプロ志望届を提出するか迷ったが、大学進学を決断した。決め手は何だったのかと問うと「高校ジャパンに入れなかったから。実力が足りないんだと思った」と言う。侍ジャパンに憧れていたから、悔しさは人一倍だった。

 侍ジャパンの常設化以降、ストライプのユニホームに憧れるアマ選手が明らかに増えた。各カテゴリーのトップ選手が集結し、プロのようにアナウンスで呼び込まれて試合に出て行く。実力はもちろんのこと、メディア露出が増え、視覚的なインパクトも伴って代表入りはアマ選手の大きな目標となり、ステータスとなってきた。「ジャパン」は一選手の人生の決断をも左右する存在になったのだ。

 こんな話を聞くと、野球人口の拡大が叫ばれる中で、「侍ジャパンへの憧れ」は大きな普及のきっかけの一つになると感じる。球界から危機感を募らせる声は挙がる一方で具体的な策はまだない。大学の野球部が地域の野球少年に指導するなど、アマレベルでも地道な活動は続いているが「ただ野球教室をやるだけでは普及にはつながらない」という声もある。

 だからこそ侍ジャパンには、その姿もプレーも全ての意味で格好いい存在でいてほしい。現に多くのアマ選手が侍ジャパンに憧れのまなざしを向けている。「格好いい」から始まる競技普及があってもいい。3月にはWBCが開幕する。観戦する子供たちが一人でも多くその目で野球の面白さを実感し、プレーヤーへの一歩を踏み出してくれたらと願う。(記者コラム・松井 いつき)

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