緒方監督“チーム解体”宣言「皆が横一線」侍メンバーも競争

[ 2017年2月1日 06:35 ]

花束を受け取る緒方監督
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 プロ野球12球団は1日、国内外で一斉にキャンプイン。リーグ連覇と日本一を目指す広島は31日、緒方孝市監督(48)や新井貴浩内野手(40)ら41選手が1次キャンプ地の宮崎・日南に入った。現地宿舎で開かれたミーティングでは、指揮官が“チーム解体”を宣言。名前や実績に関係なく「結果を出した者を使う」と強調し、常勝軍団をつくり上げる意気込みを示した。

 リーグ連覇を目指す春だからこそ、厳しい方針を打ち出した。選手、コーチら52人が日南に到着し、午後3時半から始まった全体ミーティング。指揮官は、昨季Vによる過信を戒めつつ「我々はプロ。去年の結果で飯は食えない」として、ナインにこう訓示した。

 「ベテランも外国人選手も、実績のある選手も競争してもらう。実績にはとらわれない。皆が横一線から始まる。自分の役割を理解し、結果を出し続けた選手を使う」

 事実上のチーム解体宣言。3月開催の第4回WBCでは菊池、鈴木、田中の3人が侍ジャパン入り。彼らとて、ポジションは安泰じゃない。緒方監督は「本人には名誉なこと。日本を代表して戦うわけだから応援する」と前置きしながら、言葉に力を込めて言った。

 「結果を出し続け、彼らを脅かす選手が台頭すれば、開幕スタメンで使う。(代表では)出番があったり無かったり、調整の難しさはあるにせよ、3人にはそれを踏まえて頑張ってほしい」

 今季の補強は、現時点で中継ぎ候補のブレイシア1人。2年連続でセ界の頂点を極めるには、投打で現有戦力の底上げが不可欠だ。昨季10勝の黒田も引退した。精神的支柱だった大黒柱の抜けた穴を埋めるのは、数字の上でも容易でないが、指揮官は首を横に振る。

 「新聞社はそこに目が行くだろうね。でも、穴とは思っていない。若い力が出てくるか楽しみ」

 首尾一貫する実力至上主義。チーム内で競争をあおり、春の実戦の中で個々の適正や成長度を見極めて、戦う集団を新たにつくり上げる。その視線の先にあるのは常勝軍団化だ。緒方監督は、起用方針にも言及した。

 「エースになりえる選手、4番打者に成長する選手が、今季は出てきてほしいし、育てたい」

 昨秋、日本ハムとの日本シリーズで「重要性を感じた」というエースと4番。候補は野村、大瀬良、あるいは鈴木か。厳しい競争の中で力をつけた選手は強い。連覇と日本一を目指す球春がいよいよスタートする。 (江尾 卓也)

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2017年2月1日のニュース