Honda熊本 復興目指す地元に勝利を届けられず「また一から」

[ 2016年7月17日 14:27 ]

スタンドから声援を送る、Honda熊本野球部の私設応援団

第87回都市対抗野球大会1回戦 Honda熊本2―5日本新薬

(7月17日 東京D)
 第87回都市対抗野球は17日、東京ドームで1回戦が行われた。4月の熊本地震で大きな被害を受けた被災地から出場したHonda熊本(大津町)は、日本新薬(京都市)に無念の逆転負け。復興を目指す地元に勝利を届けることはできなかった。

 1点を追う6回、美しい2本の放物線が東京ドームに架かった。1番・稲垣、2番・長池が連続本塁打。一気に試合を引っ繰り返し、約1万5000人で埋まった一塁側応援席は沸きに沸いた。しかし8回2死一、二塁で、代打・物部の遊撃内野安打を処理した稲垣が一塁に悪送球。同点とされると、2番手の三小田が代打・植田に決勝3ランを許した。同点弾を放ちながら、痛恨の失策となった稲垣は「自分たちが勝って復興のシンボルになりたかったけど…。自分のミスで負けてしまった。申し訳ない」と肩を落とした。

 「我々が勝ち進んで、地元に元気を発信したかった」と岡野武志。震災直後には自身も車中泊をするなど、避難生活を送った。白星は届けられなかったが、それでも最後まで諦めない全力プレーは貫いた。指揮官は目を潤ませながら「復興へ向けて、熊本はこれから頑張らないといけない。我々も同じ気持ちで、また一からやりたい」と前を向いた。

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2016年7月17日のニュース