イチロー大台へあと9!敵地の大声援&“時間稼ぎ”に「感激」

[ 2016年7月17日 05:30 ]

カージナルスに勝利し、チームメートとタッチするマーリンズのイチロー(左)

ナ・リーグ マーリンズ7―6カージナルス

(7月15日 セントルイス)
 マーリンズのイチロー外野手(42)が15日(日本時間16日)、カージナルス戦の8回に代打出場し、中前打を放ってメジャー通算3000安打まで残り9本とした。打席に入った際には「全米最高のベースボールシティー」とされる敵地セントルイスのファンからスタンディングオベーションを受け、感激。感謝の一打を放ち、大台到達へのカウントダウンはついに1桁に突入した。

 全米屈指の野球の街が、イチローを憎すぎるほどの演出で出迎えた。5―6の8回1死走者なし。代打で打席に向かうと敵地ファンから拍手が湧き起こった。その雰囲気を察知した捕手モリーナは立ち上がって打席付近の石を拾い、足場をならした。約10秒の「時間稼ぎ」。拍手は球場全体に広がり、最後は4万2034人の大半のファンが立ち上がって「エール」を送った。

 「いやー、凄いですねえ。ちょっとびっくりしたなあ。なんか(モリーナとファンは)打ち合わせできているみたいな感じの動きでしたもんね。ちょっと感激しました。今日のはちょっと考えられない」。グラウンドと観客席が一体となった最高の演出。イチローは打席内でモリーナに謝意を伝えたという。

 バットでも感謝の気持ちを示した。左腕シーグリストに対し、フルカウントからの92マイル(約148キロ)の速球を鮮やかに中前にはじき返した。けん制悪送球で二塁へ進むと、2死後にプラードの右前適時打で同点のホームイン。9回に勝ち越す勝利につなげた。

 セントルイスとの縁は深い。04年にイチローが破るまでシーズン最多安打記録保持者だったジョージ・シスラーの墓が郊外にあり、04、09年に訪問。昨年8月15日のカージナルス戦ではメジャー歴代2位のタイ・カッブの4191安打を日米通算で抜いた際にもスタンディングオベーションを送られ、「ここは特別ですね」と言う。

 後半戦初戦で幸先のよい一打。22日(日本時間23日)からホーム10連戦が控え、7月中に本拠での達成が見えてきた。4日間の球宴休みの間も無休だった42歳は、休み明けなど関係なしに13安打7得点の逆転劇を見せた若手に対して「この無神経さ、欲しいっすよ」と笑った。

 ▼イチローのセントルイスでのタイ・カッブ超え 15年8月14日のカージナルス戦の5回に左前打を放ち、日米通算でタイ・カッブに並ぶ4191安打。翌15日の同戦では初回に右前打を放ち、カッブ超えを果たし敵地ファンがスタンディングオベーションで祝福。イチローも「ホームでやることが一番いいんでしょうけど、それ以外の場所を考えるとここはベストの場所」と感謝した。

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