【西東京】早実・清宮“笑”撃の激走 ユニ破れた「もう4着ぐらい」

[ 2016年7月17日 05:30 ]

<早実・明治>3回1死一塁、工藤の中前打で三進し、スライディングでユニホームが破ける早実・清宮

第98回全国高校野球選手権西東京大会4回戦 早実6―2明治

(7月16日 ダイワ八王子)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は16日、47大会で415試合が行われた。西東京大会では早実・清宮幸太郎内野手(2年)が4回戦の明治戦で6回に適時二塁打。3戦連続のアーチは逃したが、3試合連続打点を記録した。18日の5回戦は国士舘と対戦する。この日は各地でプロ注目選手が競演。東東京大会では帝京・郡拓也捕手(3年)が1イニング3盗塁を決めた。17日は48大会で384試合が行われる。

 いつもはバットで衝撃を呼ぶ怪物が、「笑劇」のハプニングに苦笑いを浮かべた。1―2の3回、先頭の清宮は右太腿に今夏初死球を受けて出塁。1死後の工藤の中前打で二塁を蹴り、勢いよく三塁へ滑り込んだ。相手の深めの守備位置を確認した好走塁だったが、思わぬミソが付いた。スライディングの際、ズボンの右太腿裏部分が破けてしまったのだ。

 「よく破けます。(早実に)入ってからもう4着ぐらい破けてます。公式戦は初めてですけど」

 この回の攻撃が終わるとズボンを替えるため一塁ベンチ裏へ。すると、中断中に場内アナウンスが流れた。「ただいま治療を行っています。しばらくお待ちください」。清宮は「死球で引っ込んだみたいな感じでしたけど全然それは大丈夫なんで」と頭をかき、「(予備を)チームが用意してくれていて助かりました」と笑った。

 新たなズボンで放った快打。4―2の6回1死三塁で、2球続いた内角低め直球をコンパクトな振りで捉え、右翼線へ適時二塁打を運んだ。「何となくインコースに来るかなというのがあった」と読みが的中した。

 4回2死三塁での中飛はバットの先でフェンス付近まで運んだ。「振り切ってもなかったので逆に驚いた」。3試合連発はならずとも1安打2四死球で貢献。今大会の出塁率は・769を誇る。今夏初めて先制されても「厳しい試合になると分かっていた。いつも通りの野球をすれば逆転できる」と冷静だった。

 58年夏の東京大会決勝。王貞治を擁した早実は明治に5―6で延長12回サヨナラ負けし、5季連続の甲子園出場を逃した。伝統の「早明戦」に内野スタンドは超満員の観衆7000人。和泉実監督から当時の話を聞いていた清宮は「凄い因縁がある相手に勝ち切れたのは大きい」と口にした。

 ノーシードから16強入り。同じ2年生の相手エース柳沢から「ここまで来たら絶対優勝してくれ」と思いを託された清宮は「そういう思いを無駄にできない」と言い切った。聖地まであと4勝だ。 (青木 貴紀)

 ▼明治・柳沢(3打数1安打された同学年の清宮は)オーラがあってレベルが違った。外角も手が届かないだろうというところにも届く。(4安打された金子は)投げる場所がなかった。

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