【静岡】藤枝明誠 主将・中田がサヨナラ2ラン「最高です」

[ 2016年7月17日 13:20 ]

第98回全国高校野球選手権静岡大会1回戦 藤枝明誠3-1誠恵

(7月16日 清水庵原)
 県大会は6日ぶりに再開し、1回戦23試合が10球場で行われた。有力候補の藤枝明誠は主将で7番・中田海斗三塁手(3年)が9回、左翼芝生席にサヨナラ2ラン。粘る誠恵を振り切った。2回戦は、3連覇を狙う第3シードの静岡に挑む。きょう17日は残りの1回戦24試合が予定される。

 球場中の視線が、左翼ポール際目掛けて舞い上がった打球にくぎ付けとなった。白球は緑美しい席で弾んだ。9回2死一塁からのサヨナラ弾。公式戦初のおまけも付いた。全力で駆けだした中田海は「やったあ!!」と右手、左手でガッツポーズを繰り返した。

 「打ったのは真ん中高めのスライダーだと思うんですが、あまり覚えてなくて。ホームランは想定外。でも最高です」

 チームで最も練習を重ね、勝負強さを誇ってきた男には野球の神様が味方する。9回1死一塁から6番・小林規久二塁手(3年)が犠打に失敗。得点圏に走者を進められなかったが「送れなかったから“次につなげよう”」と謙虚になれた。「二塁だったら“俺が決めよう”とホームランは出ていなかったと思います」と笑い飛ばした。

 打順降格の悔しさを力に変えた。6月中まで高校通算51本塁打の4番・伊藤翼咲一塁手(3年)の後ろ、5番をキープ。だが、調子を落とし7番に下げられた。ベンチから外れた8人の3年生に対しても「勝たないと僕らのために一生懸命やってきたバッピ(打撃投手)ら仲間の努力が報われない」。この一心で試合に挑み、ひと振りに乗せた。

 戦後初の3年連続甲子園出場を懸ける静高への挑戦権を得た。光岡孝監督(38)は「これ以上はない勝ち方。勢いが大事」とニヤリ。王者を倒し、真の主役へ躍り出る。 (小澤 秀人)

続きを表示

2016年7月17日のニュース