和田死角ゼロ!防御率0・00 本拠開幕戦も任せろ

[ 2016年3月22日 06:57 ]

<広・ソ>ソフトバンク先発・和田

オープン戦 ソフトバンク2―0広島

(3月21日 マツダスタジアム)
 驚異の無失点締めだ。ソフトバンク・和田毅投手(35)が21日、広島とのオープン戦に先発し、6回5安打無失点でシーズン前の最終登板を終えた。これでキャンプでの紅白戦を含め、実戦5試合で20イニング無失点、しかも四死球0と安定感は抜群。本拠地開幕戦となる29日の西武戦に向け、万全の仕上がりぶりを披露した。なお、チームも2―0で広島を下し、オープン戦最終戦を白星で飾った。

 開幕前のリハーサルを思い通りの投球で締めくくった。シーズンを想定した100球以上の球数も、すべての球種を使った内容も、自信を持ってシーズンに入れる内容としては十分だった。

 「きょうは本番のイメージで投げた。もう1イニング投げたかったが、いい調整はできたと思う」

 6日の楽天戦(倉敷)で4イニング、15日のロッテ戦(QVCマリン)は5イニングと予定通りに投球回数を伸ばして迎えた広島戦。オープン戦3戦目にして同一リーグ以外の相手に投げられた意義は大きかった。「キャッチャーと話しをしながら、やりたいことを試すことができた」。5年ぶりの日本球界復帰で埋めなければならない実戦勘を少しずつ取り戻した。

 6回。先頭の田中に中前打されたが、ここで真骨頂を発揮した。「送りバントかなと思ってクイックで様子を見たら、打ってきそうだったので」。1ボールからの2球目は直球を外角低めに投じた。「低めに投げれば最悪でも1死は取れる」。相手の動きを冷静に読み取る洞察力は健在。注文通り菊池を投ゴロ併殺打に仕留め、ピンチの芽をつみ取った。

 工藤監督は「何も問題はないです。たとえ点を取られたとしても問題はないです」と全幅の信頼を口にした。キャンプから自身の目で調整ぶりを確認してきたが「下半身の使い方で低めに投げられるピッチャー。場面の重要性も理解してあれだけのコントロール。カウントもしっかり取れる」と褒めちぎった。

 それでも和田はあくまでもクールだった。オープン戦で15イニング、キャンプでの紅白戦や練習試合を含めれば通算20イニング無失点で、さらに四死球0という結果にも「たまたまですよ。本番は簡単にはいかないと思う」と表情を引き締めた。

 オープン戦期間中は、結果もさることながら球場の広さ、マウンドの傾斜などさまざまな条件で投げることで5年間の空白を徐々に埋めてきた。さあ、次はいよいよ本番のマウンド。29日の西武との本拠地開幕戦で、進化した姿を披露する。(田中 貴久)

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2016年3月22日のニュース