一時はクビ覚悟…西武・坂田にブレークの予感 8年ぶりVのキーマン

[ 2016年3月22日 09:10 ]

16日のソフトバンク戦で松坂から右越えソロを放った西武・坂田

 がっちりとした胸板。私服に、右手にはバットを持っていた。20日の東京ドーム。巨人とのオープン戦で球場入りした西武・坂田は昨年まで西武担当をしていた私をを見つけ、「久しぶりですね!」と笑顔で話しかけてきた。今季の復活に懸ける「左のおかわり」は、今オープン戦を12球団トップタイの打率・400で終えた。好調の理由を尋ねると「たまたまです。自分はまだまだ」とひたすら謙遜するだけだった。

 西武を取材していた14、15年は、坂田にとっては不遇の期間だった。伊原監督が「5番・DH」で期待した14年は開幕直前に左肩を脱臼し、手術。一年間を棒に振った。同年オフには「けがが多かった」と背番号を「31」から「88」に変更した。現役選手では珍しい番号に、末広がりの験まで担いだ。契約更改ではうつむいたまま言った。「今年は本当にクビを覚悟した。もう一年野球をできることが本当に嬉しいし、チームに貢献したい」。絞り出すような声が忘れられない。

 15年も苦しんだ。開幕こそ1軍で迎えたものの、調子が上がらず同5月4日に2軍落ち。シーズン終了まで1軍に上がることはできず、わずか15試合の出場で打率・146に終わった。西武第2球場では、いつもユニホームを泥だらけにしていた。手に持ったバットを見つめ「悔しい。絶対に打ちます。僕はもう、絶対に打ちます」とつぶやいていた。自らに言い聞かせるように、悔しさをにじませていた。

 その男は今季、ブレークの予感を漂わせる。16日のソフトバンクとのオープン戦(西武プリンス)では、松坂から弾丸ライナーで右越えソロ。20日の巨人戦は、左中間二塁打を含む4打数2安打を記録した。翌21日の同戦でも3打数1安打。オープン戦最終打席で右前打を放ち、好調を維持したままシーズンに突入する。

 田辺監督に「予想以上の活躍をしてくれている」と言わせるまでに復調した。昨季は、一年間右翼を固定することができず4位に沈んだ西武。8年ぶりV奪還へ、坂田がキーマンになる。(記者コラム・神田 佑)

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