龍谷大平安の怪物・岡田2000年生まれ1号 清宮に対抗心

[ 2016年3月22日 05:30 ]

<明徳義塾・龍谷大平安>3回表1死、2者連続となるソロ本塁打を放ちガッツポーズする岡田

第88回選抜高校野球大会1回戦 龍谷大平安7―1明徳義塾

(3月21日 甲子園)
 「清宮世代」に新たな怪物が出現した。目撃者は09年の甲子園改装後、最多となる4万6000人の大観衆だった。1―1で迎えた3回、龍谷大平安の攻撃。3年生の4番・橋本の勝ち越しソロに続いて、2年生の5番・岡田がバックスクリーン右へ叩き込んだ。

 「当たった感触が良かったので行ったと思った。橋本さんが打ったので僕も打ちたかった」。昨夏の甲子園で2本塁打を放った同学年の早実・清宮は1999年5月生まれ。岡田は00年1月生まれで「ミレニアム球児」としては甲子園第1号だ。大会タイ記録の2者連続本塁打に加わった2年生は84年清原和博(PL学園)以来でもあった。

 この日の朝、5番抜てきを告げられた。練習試合で8番が多かった岡田は「えっ!?」と驚いたが、原田英彦監督が「怖いもの知らず」と評する強心臓で試合前には「ホームランを打ちたい」と宣言。2回の左翼守備で大飛球をフェンスに激突しながら好捕し「あれで吹っ切れた」と有言実行のアーチにつなげた。2年生スラッガーが勢い付け、15安打7得点で快勝。PL学園と並んでいた春夏通算勝利数を97に伸ばし、単独2位となった。

 清宮と同じ左打者。昨秋公式戦で140メートルの場外弾を放った長打力は本物だ。今冬、毎日1時間の素振りと150スイングのロングティーで鍛え、さらにパワーアップした。視察した阪神・熊野輝光スカウトは「清宮にも劣らないし、清宮より安定している。うちの高山(ドラフト1位)みたいになるんじゃないかな」と絶賛し、オリックス・内匠政博スカウトも「西ではNo・1」と来秋のドラフト候補に挙げた。

 2年前、龍谷大平安のセンバツ優勝をテレビ観戦し同校への進学を決めた。出場を逃した昨夏の甲子園は「清宮フィーバー」に悔しい思いをした。清宮にライバル心を燃やす16歳は「飛ばす力と、顔とスタイルは負けない」と豪語した。(水口 隆博)

 ◆岡田 悠希(おかだ・ゆうき)2000年(平12)1月19日、愛知県生まれの16歳。幼少期に広島県に移り住み、小学1年から野球を始める。中学時代は「府中広島2000」に所属し、三塁手、投手、外野手として全国大会に3度出場。龍谷大平安では1年春からベンチ入り。50メートル走は6秒3。遠投110メートル。高校通算13本塁打。1メートル82、79キロ。右投げ左打ち。

 ▼中日・中田宗男スカウト部長 パワーというよりも技術があるという印象。来年のドラフトでは上位に入ってくる可能性がある。

 ≪3年ぶり5度目の2者連続弾≫龍谷大平安の橋本、岡田が3回に2者連続本塁打。13年に敦賀気比の山田、喜多が聖光学院戦で記録して以来3年ぶり5度目。うち2年生で連続アーチに加わったのは、84年PL学園・清原に次いで2人目。

続きを表示

2016年3月22日のニュース