王子 7年ぶり4強入り!船越 読み勝ち先制弾

[ 2015年7月28日 05:30 ]

<日本新薬・王子>5回1死三塁、王子・船越は左越え2ランを放ちナインの出迎えに笑顔

第86回都市対抗野球第10日・準々決勝 王子4―2日本新薬

(7月27日 東京D)
 準々決勝3試合が行われ、王子(春日井市)は5回、入社3年目の船越涼太捕手(21)の左越え先制2ランなどで3点を奪い、日本新薬(京都市)を4―2で下した。王子は準優勝した08年以来7年ぶりの4強入り。大阪ガス(大阪市)はサヨナラ、三菱重工広島(広島市)は逆転でそれぞれ勝ち上がり、4強が出そろった。

 5回1死二塁。初球のチェンジアップを読み切った船越のバットが反応した。「傾向からその球種が来ることは分かっていた」と強振した打球は左翼席中段へ。一塁ベースを回ったところで大きく右拳を突き上げた。捕手として1、2回戦の完封勝利をリードしたが打席では8打数無安打。「ピッチャーに申し訳ない」という思いが先制2ランを呼んだ。

 千葉・市柏から入社3年目。小学校6年でロッテジュニアに選抜され、投手として近藤(日本ハム)とバッテリーを組んでNPB12球団ジュニアトーナメントに出場した。市柏では内野手だったが、「捕手の方がプロに行きやすい」と会社の打診を快諾して入社と同時に捕手に転向した。

(プロ見据え捕手転向/) 今年から就任した稲場勇樹監督が「彼に足りないのは経験。誰かが使わないといけない」と大舞台で21歳捕手を初戦から先発マスクで起用。船越も期待に応えようと必死だ。対戦相手のDVDを繰り返し見てノートにまとめる。傾向と対策を頭に叩き込んで毎試合臨む。その成果が初球のチェンジアップ打ちだった。

 守備でも魅せた。3回1死三塁ではスクイズを読み切ってピンチをしのいだ。「あの攻め方はデータとして入っていた」と振り返る。王子の川上友朗コーチ兼捕手を手本として「試合に勝つには捕手の存在が大きい」。まずは4強入り。目指すは師匠・川上が正捕手だった08年の準優勝超え。「打てる捕手」が11年ぶりの黒獅子旗をつかみ取る。 (君島 圭介)

 ◆船越 涼太(ふなこし・りょうた)1993年(平5)11月26日、千葉県出身の21歳。小学校時代のロッテジュニアでは投手で近藤(現日本ハム)とバッテリーを組んだ。NPB12球団ジュニアトーナメントの同期にはソフトバンクジュニアの高城(現DeNA)らがいる。市柏では内野手で2年夏の県8強が最高成績。高校通算20本塁打。1メートル78、76キロ。右投げ右打ち。

  ▼王子・長岡(5回2/3を7安打2失点)緊張しましたが、先制点をもらって冷静に投げられました。(船越は)年下だけど言いたいことをしっかり伝えてくれるので投げやすい。

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