吉兆届ける“伊東家のザクロ”CS進出で収穫の秋に

[ 2015年7月28日 10:15 ]

 伊東監督の自宅の庭には「幸せのザクロの木」が植えられている。「結婚してなかなか子供ができなくてね。ある人の助言で“庭にザクロの木を植えるといい”と言われて、半信半疑で木を育て始めたんだ」。結婚5年目で双子を授かった。夫婦で庭のザクロの木に目をやると、実がなっていたというのだ。

 「それまで一度も実をつけたことがなかったのに、子供ができたと同時に実がなってね。妻と一緒にビックリしたのを覚えているよ」

 その後もう一回、この木が実を付けたことがある。2度目はロッテの監督に就任するタイミングだった。韓国・斗山ベアーズのヘッドコーチを務めていた12年10月にロッテの監督のオファーが届いた。これを受諾し、日本球界に復帰。韓国から帰国して自宅の庭に目をやると、二つの実がなっていたという。「めったに実がなることがないんやけど、節目のいいタイミングで実をつけるんや」。23年前に植えたザクロの木は、伊東家にとって「吉兆」を知らせる存在なのだ。

 ちなみに、2度目に実がなったときは、何も知らない長男が実をちぎって食べてしまったそうだ。「妻が大事に実を育ててたのに、気づいたらなくなってたんだよ。息子に聞いたら“食べたよ。まずかった”と笑ってて。妻が本当に悲しんでいたよ」。今では家族の笑い話になっている。

 伊東監督にとって今季は3年契約の最終年。パ・リーグは首位のソフトバンクが独走態勢に入っている。優勝こそ厳しいが、クライマックス・シリーズ(CS)進出の可能性なら十分にある。10年に「史上最大の下克上」で3位から日本一に輝いた。05年も日本一になっており、15年は5年周期の「ゴールデンイヤー」とされる。ファンも「お家芸」のCSからの日本一に願っていることだろう。もし実現すれば、伊東家のザクロの木がきっと実をつけるだろう。(重光 晋太郎) 

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2015年7月28日のニュース