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阿部 お目覚め今季初4番弾 原監督が打順戻した思い背負った

[ 2014年8月3日 05:30 ]

<巨・広>6回、阿部は14年連続2桁となる2点本塁打を放つ。投手・大瀬良

セ・リーグ 巨人3-1広島

(8月2日 東京D)
 投打の中心選手がようやく目覚めた。巨人の阿部慎之助捕手(35)が2日、広島戦の6回に決勝の左中間10号2ランを放った。4番を固定できず日替わりオーダーを組んできたが、阿部に飛び出した待望の今季4番初本塁打。新人から14年連続2桁本塁打は原辰徳監督(56)に並び、球団史上3人目となった。先発の内海哲也投手(32)も6回1失点で約2カ月ぶりの2勝目。キャプテンとエースの復活で、2位・阪神との差を3ゲームに広げた。

 阿部はタイミング、見送り方にも細心の注意を払っていた。6回、同点として迎えた1死二塁。初球ボール、2球目の内角球に一瞬、手を出しかけた。「(内角の)カットボールを待っているように見せかけて、真っすぐを待っていた」。来た。3球目。大瀬良が投じた外角低めの145キロ直球に踏み込んだ。打球は左中間席へ飛び込む決勝10号2ランとなった。

 「うれしいけど、やっぱり初回(1死二、三塁)のチャンスをモノにしないといけないのがクリーンアップ。これだけ打つ方で苦しんできたのは初めてだから」

 逆方向への一発は今季初めて。「自分の調子のバロメーターだと思っている」という待望のアーチだった。ヘッドが下がり、下からバットが出ていたことで速球に力負けしてきた。ここ数試合はバットを胸の前で上下させるような形からテークバックを取った。苦難の末、球を上からつぶす本来の打球が出た。「最初、どこに飛んだか分からなかった」。手応えだけが両手に残っていた。

 今季4番に座って8試合目での初アーチ。4番の重みと責任を知るからもがき、闘ってきた。「僕が打たなきゃいけないとずっと思ってきた。こういう(4番が変わる)状況でも、僕の成績では4番に座れない。神様が“もう一度考えろ”と言っていると感じた」。打率は2割台前半に低迷し、打点も30台前半。それでも、前日から原監督は4番に戻した。指揮官の思いも背負っていた。

 新人から14年連続2桁本塁打となり、原監督に追いついたが「並んだとは思っていない。偉大な先輩に少しでも近づけるように」と言う。巨人の4番は絶対的な柱である必要がある。原監督も「手放しで喜ぶのでなく、数試合に一本は殊勲打を打つ(4番がいる)チームであってほしい」と願った。チームにとっても4番弾は18試合ぶり。4番を軸に歯車が回る日常を取り戻すには、これを継続する必要がある。

 「打てなくても粘って勝って貯金がある。本当に野球は分からない。でも、クリーンアップが打てば勝てる。本当に喜べるのは優勝した時だね」

 阿部は声を張った。「最高です」。さらに内海とのお立ち台には女房役として「もっと最高です!」と言った。自らの苦しみを封印して笑った。キャプテンの姿だった。

 ≪球団3人目≫阿部(巨)が6回勝ち越しの10号2ラン。これで入団1年目の01年から14年連続2桁本塁打。巨人で2桁本塁打を14年以上続けたのは60~80年王の21年、58~74年長嶋の17年、81~94年原の14年に次いで4人目。王は2年目からの記録で、新人からでは3人目になる。今季の阿部は東京ドームで6本、神宮で4本と2球場のみで本塁打。8月は今後25試合のうち、東京ドーム13試合、神宮3試合と両球場16試合を残しており、量産態勢を築けるか。なお、連続シーズン2桁本塁打のプロ野球記録は前記王、57~77年野村(南海)、86~06年清原(西)の21年。1年目からでは清原だけ。 

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