鳥谷 完全砕いたチーム初安打 阪神4月17勝は球団新

[ 2014年4月30日 08:50 ]

<神・広>7回2死、鳥谷はチーム初安打となる左翼線二塁打を放つ

セ・リーグ 阪神1-0広島

(4月29日 甲子園)
 恒例のジェット風船が飛んでも、阪神打線は走者を出せない。ラッキーセブン、上本、大和の1、2番が簡単に倒れた。20連続アウト。スタンド中で「完全試合」のフレーズが飛び交い始めたその瞬間、快音が響いた。

 鳥谷だ。スイスイ投げるバリントンの、カウント1ストライクからの2球目。外角スライダーを素直に捉えた一打は左翼線への二塁打となった。

 「走者として塁に出れば、投手も警戒してくるとは思っていた」

 チーム初安打、そして初めての走者。この回は続くゴメスの凡退で得点に至らなかった。それでも、仮に鳥谷の一打が出ていなければ、殊勲打の福留を含め、後続打者が打席に入る時の心理は違うものになっていたはずだ。27日のDeNA戦でストップするまで、9試合連続安打。黒田ヘッドコーチは「バリントンは良かった。ただ(鳥谷は)タイミングが合っていたと思う。うまく左方向に打っていた」と期待感を持って見ていた。

 バリントンに対しては、打線全体で早いカウントから攻撃を仕掛けた。カウント2ストライクと追い込まれた状態で打球が前に飛んだ数は、わずか6個。そのうち2つが鳥谷のものだった。初回はカウント1ボール2ストライクから遊ゴロ、続く4回はカウント2ボール2ストライクから遊ゴロだ。無情にも打球は野手の正面を突いたが、好投手に対して打者不利のカウントからでも粘りを披露。その安定感からすれば、沈黙を破る7回の一打は必然だった。

 ≪4月17勝は球団新記録≫阪神は広島に勝って4月は1試合を残して17勝目。球団の月間最多勝は64年8月と68年8月に記録した19勝で、今回は届かないが、4月に限れば08年の16勝を上回る球団新記録となった。

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2014年4月30日のニュース