アンちゃん 菅野救った!逆転許した9回同点打 巨人今季初サヨナラ

[ 2014年4月30日 05:30 ]

<巨・ヤ>9回1死二、三塁、左越えにサヨナラ打を放った村田(右)に抱きついて喜ぶアンダーソン(背中)。殊勲の2人にロペス(左)が祝福のシャワー

セ・リーグ 巨人5-4ヤクルト

(4月29日 東京D)
 巨人は29日、今季初のサヨナラ勝ちでヤクルトを5―4で下した。2点リードの9回2死一、二塁で先発・菅野智之投手(24)がまさかの逆転3ランを浴びたが、その裏に新4番・レスリー・アンダーソン外野手(32)と5番・村田修一内野手(33)が連続適時打で逆転した。9回7安打4失点完投の菅野は無傷の5連勝。打線が一丸となって菅野の敗戦を消し、そして勝利をプレゼントした。

 劇的なドラマの主役は、キューバ出身の第79代4番だった。今季初のサヨナラ勝ち。殊勲の同点打でチームを救ったアンダーソンはサヨナラ打を放った村田と新旧4番同士で抱擁を交わした。

 「とにかく集中して同点にしようとだけ考えていた。後ろに村田さんをはじめ、素晴らしい打者が控えているのでこれで乗っていけると思った」

 完投した菅野の熱投に応えた。1点を追う9回1死一、二塁。アンダーソンは1ボール1ストライクからの3球目、山本哲の138キロ直球を振り抜き、右翼フェンス直撃の適時打。「初球に真っすぐが来て直球で攻めてくると思った」と読み通り3球続いた直球を捉えた。この日は4安打で今季5度目の猛打賞。お立ち台では阿部の決めゼリフ「サイコウデース!」を3度も絶叫した。

 打撃フォームは試行錯誤を続ける。来日当初はノーステップ打法だったが、軸足に体重を乗せやすくするため足を上げてタイミングを取るように修正。バットを肩で担いでいた構えも、胸の前でグリップを握りリズムを取るようにした。26日の広島戦(マツダ)からは4番の重責を担っているが「特に意識せずに自分の仕事をするだけ」と平常心で臨んでいる。打点24はチームトップ、得点圏打率・400も橋本と並んでトップの数字だ。

 同点に追いつき、なおも1死二、三塁。ここで村田だ。フォークを捉え、左翼フェンス直撃のサヨナラ打。「何とか(菅野)智之を勝たせたい気持ちだった。ここで打たないと格好がつかない」と胸をなで下ろした。

 開幕から4番を務めていたが、26日の広島戦で7番に降格。コンパクトなスイングを心がけ、目線がぶれないように足の上げ方を修正。復調の手応えをつかみ、試合を決めた。「レスリー(アンダーソン)が仕事を果たしてくれるので、その後ろで守ることがいまの僕の仕事」。第76代4番としてのプライドは胸にしまい込み、置かれた位置で仕事に徹する。

 前日までのチーム得点圏打率はリーグ3位の・307。原監督は「レスリーはどういう状況でも自分のスイングができる。彼の一打が(あって)村田も良いバッティングをしてくれた」と称えた。順位は3位のままでも首位・広島とは2ゲーム差。「勝ちを求めてやっていきます」。球団初のキューバ人助っ人が、巨人の4番にふさわしい輝きを放っている。

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