阪神 甲子園9連勝 福留 男やV弾「この数字で使ってもらって…」

[ 2014年4月30日 05:30 ]

<神・広>8回2死、福留の中越えソロは日本通算200号

セ・リーグ 阪神1-0広島

(4月29日 甲子園)
 “飛びすぎない”ボールを、気持ちよく飛ばした。阪神は29日、首位攻防・広島3連戦の第1ラウンドで0―0の8回2死から福留孝介外野手(37)が中越えに決勝2号ソロを放ち、リーグ優勝した03年以来11年ぶりの甲子園9連勝を飾った。不振に苦しむベテランが、節目の日本通算200号で勝負強さを披露。球団史上初の4月17勝目をもたらした。

 福留は走りながら、打球がバックスクリーン右へ消えたことを確認した。一塁を蹴り、珍しく、右の拳を固めた。感情があふれた理由をお立ち台で聞かれると「この数字でも使ってもらっている。なんとかしたいと思っていた」と話した。

 苦しかった。ふがいなかった。試合前の時点で打率・154。勝利に貢献したいと心に期しながら、果たせなかった。8回2死。カウント2ボール1ストライク。まだ、1安打しか許していない広島・バリントンが投じた外角低めの球だった。「2アウトだったし、思いっきりいこうと」。3日の中日戦(京セラドーム)以来の本塁打となる今季2号。節目の日本通算200号を、こん身のフルスイングで放った。

 「前の打席でファインプレーをされたので、人のいないところに打てたら…と思っていました」

 使用開始された反発係数適合球も、関係なかった。「鳥谷が外のボールを強引にいこうと(言って、二塁打を放った)。同じ左打者なんで、そこを意識して」。6回はそのコースを叩いて痛烈に左翼線へ運んだが、ロサリオに好捕された。以前の統一球なら抜けていたか…という当たり。悪くない手応えを、次打席で最高の結果に変えた。

 3月30日の巨人戦の守備で西岡と交錯。骨折は西岡だけでなく、自身も肋骨の一部にヒビが入った。それでも「試合に出ている以上は関係ない」と弱音は一切、吐かなかった。オフに重点に置いた筋力トレーニングが全くできなくなったが、その分、走り込みやノックに時間を割き、プレーできる体を維持した。

 記念の花束を受け取った。「ベンチに帰ったら、鳥谷が、セキ(関本)が、新井さんが、自分のことのように喜んでくれた。それがうれしかった」。雨に打たれながら声援を送った4万6千観衆に向けては「大きな1勝だと思う。この1勝がムダにならないよう、来ていただいたお客さんにとっていいゴールデンウイークになるように頑張ります」と約束した。30日、4月ラストゲームで03年に並ぶ球団最多記録の甲子園10連勝を決めれば、首位・広島とのゲーム差は0になる。

 26日に37歳の誕生日を迎えたばかりだ。「できることはたくさんある。何歳になっても、老け込むわけにはいかない」。苦しんだ分だけ、ベテランは逆襲の思いを胸に秘めていた。

 ≪プロ野球99人目≫福留(神)が広島戦の8回にバリントンから2号ソロを放ち通算200本塁打を達成した。プロ野球99人目。初本塁打は中日時代の99年4月16日の巨人戦でガルベスから。日米通算では242本塁打。スコア1―0の決勝弾はメジャー時代も含め自身初。阪神では09年5月12日の広島戦で金本知憲が打って以来5年ぶり。

 ≪11年ぶり≫チームは今季甲子園で9勝1敗の勝率9割。4月9日からの9連勝は03年6月から7月にかけて記録して以来11年ぶり。30日も勝てば03年5月から6月にかけての10連勝に並ぶ2度目の球団タイ記録となる。

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