オレ流信念の浅尾→岩瀬!完封リレーで奪首

[ 2010年9月11日 06:00 ]

首位に立ちファンの声援に応える(左から)岩瀬、岩田、森野、浅尾

 【中日1-0横浜】オレ流の信念に揺るぎはなかった。9回。浅尾が4番・村田を中飛に打ち取ると、中日・落合監督は迷わずベンチを出た。1死無走者から、守護神・岩瀬の投入である。

 前夜の悪夢は忘れていない。つい24時間ほど前の甲子園。1点リードの9回1死一塁から浅尾に代えた岩瀬が連打を浴びて奪首に失敗した。同じ1点差。同じパターンの継投に出た。「信頼して使ってくれてるので、やらなきゃいけない」。岩瀬はスレッジを直球で空振り三振、カスティーヨも直球で中飛。今季38セーブ目で、自らが持つ50試合登板の日本記録を12年に伸ばした。「マウンドでできるのは自分を信じて投げるだけ」。喜びをポーカーフェースで押し隠す。そんないつもの守護神の姿に戻したのが落合監督だった。
 前夜の継投に「なぜ9回の頭から岩瀬ではないのか」という周囲の声が聞かれた。しかし、相手打者のスイングと自軍投手の球質を分析し、投手起用していくのがオレ流の継投。それは監督就任時から変わらない。加えて、今季の岩瀬は「必死です」と打ち明けたように、日本記録の代償で勤続疲労は明らか。その状態を加味して9回の途中から投入し、力で抑えたい先頭の村田は8回から登板の浅尾が力で封じ込めた。その浅尾も年間55ホールドポイントの日本タイ記録。「こんな場面で使ってくれる監督のおかげ」と笑った。
 オレ流の1―0完封リレー。落合監督は「ヒットゼロでも勝てるときは勝てる」と言った。分析と信頼、そして決断。2人の日本記録保持者を駆使し、ついにトップに躍り出た。148日ぶりの首位。でも「争うのは勝率。阪神より残り試合が少なく負け数は3つ多いんだよ」。いつもの落合節が逆に自信を際立たせた。

 ▼中日・森野(8回1死二、三塁から決勝の中犠飛)どんな形でもいいから、ランナーを還そうと思っていた。いま首位になっても、144試合終わってないと意味がない。

 ≪岩瀬50試合登板≫中日・岩瀬が10日、12年連続の50試合登板を達成、自身のプロ野球記録を更新した。1点リード、1死無走者で登板して打者2人を三振と中飛に仕留めて今季38セーブ目を挙げた。シーズン50試合登板は入団1年目からの記録で、初登板は1999年4月2日の広島戦。

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2010年9月11日のニュース