巨人・坂本 「長嶋茂雄DAY」に目の前で並んだ186度目猛打賞「本当に光栄」

[ 2024年5月4日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人8―5阪神 ( 2024年5月3日    東京D )

背番号「3」のシャツで練習する坂本(撮影・大森 寛明)
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 ミスターにささげる白星だ。巨人は3日、長嶋茂雄終身名誉監督(88)の功績を称える「長嶋茂雄DAY」として開催された一戦で、首位・阪神を8―5で下し2ゲーム差に迫った。坂本勇人内野手(35)が初回の先制左前適時打など3安打し、歴代3位で長嶋茂雄のセ・リーグ記録に並ぶ通算186度目の猛打賞をマーク。永久欠番の長嶋氏の背番号「3」が袖に入ったユニホームで、ミスターの勝負魂が乗り移ったような活躍だった。

 ミスターの前でミスターに並んだ。6―4の8回先頭。坂本が加治屋の外角低めの146キロの直球を捉えた。3安打目となる一、二塁間を破る右前打。長嶋氏に並ぶセ・リーグ記録となる通算186度目の猛打賞だった。

 「本当に光栄なこと。素直にうれしく思います」

 0―0の初回2死一、二塁。外角低めのフォークを目いっぱい両手を伸ばして拾い、左前に運んだ。4者連続適時打の口火となる先制打。「どうにか先制したいところでした。先に点が取れて良かった」。これが、チームトップとなる今季4度目の決勝打になった。初回の4者連続適時打は長嶋氏が監督だった98年4月25日の阪神戦以来26年ぶりと、歴史が重なった。

 この日は、球団創設90周年記念特別試合「長嶋茂雄DAY」で、試合球にも特別な刻印が入った。ユニホームの右袖には永久欠番の「3」、帽子の内側にも現役時代の長嶋氏の姿がプリントされた特別仕様の戦闘服。マウンドにも「3」の数字が刻まれた。

 長嶋氏が守った巨人のホットコーナー。坂本は昨季途中、遊撃から転向した。入団2年目の08年の春季キャンプでは右肩を触られ「君の将来を期待しているよ」と声をかけられ、その年にブレーク。スター街道を駆け上がり、猛打賞で肩を並べた。「今のプロ野球人気は、先輩たちが築いてきてくれたもの。毎日何万人ものお客さんの前でプレーできるのも、そういう人たちのおかげ」。改めてレジェンドを含めた先人への感謝を口にした。

 坂本が打線を活性化し、チームは連敗を3で止め首位・阪神に2ゲーム差に迫った。阿部監督は「素晴らしい。こういう日にぴったりじゃないですか」と記念試合で輝いた坂本を称えた。「ここからもっと(状態を)上げていかないといけない」。坂本の目にはミスターのように勝負に燃える炎が宿っていた。(青森 正宣)

 ▼張本勲氏(本紙評論家。歴代最多251度の猛打賞)坂本、ミスターに並ぶ186度目の猛打賞おめでとう。1試合に3安打以上するには、その試合の中で違う投手と対戦するケースも多い。坂本は技術が確立されており自分の間合い、形で打てる。だからこそ固め打ちも可能になるのだろう。次に目指すは200度目の猛打賞。その先にはNPBで私一人しかいない通算3000安打も待っている。彼ならできる、と思う。

 

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