広島敗れるも 西川4番復帰即タイムリー 右脇腹肉離れから1ヵ月「気合で打ちました」

[ 2023年8月9日 05:00 ]

セ・リーグ   広島4―5ヤクルト ( 2023年8月8日    神宮 )

<ヤ・広16>初回、西川が右前適時打を放つ(撮影・篠原岳夫)
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 右脇腹肉離れで離脱していた広島・西川龍馬外野手(28)が8日、「4番・左翼」で20試合ぶりに戦列復帰したヤクルト戦でいきなり魅せた。1点を先制した初回、なおも1死二塁で鮮やかな右前適時打だ。九里亜蓮投手(31)が6回4失点で降板するなど投手陣が踏ん張り切れず、4―5で痛い逆転負け。2連敗で、首位・阪神とは3・5ゲーム差に広がった。

 夜風が吹く敵地・神宮。クラブハウスへ引き揚げる西川は、足取り重く口数も少なかった。無理もない。20試合ぶりに戦列復帰したものの、チームは1点届かず痛い敗戦。本音が口を突いて出た。

 「1本が出た?でも、その後の打席で打っていないので。チームが勝てればいい」

 定位置の4番・左翼で先発。初回にいきなり魅せた。先制の左越え二塁打を放った秋山を1死二塁に置き、鮮やかな適時打。カウント3―1からの外角スライダーを右前へ運んだ。届いた広報コメントはチームへの貢献意欲があふれていた。

 「夏休みを1カ月いただいたので、取り返さないといけない。気合で打ちました」

 失意の登録抹消は7月12日。右脇腹の張りを我慢しながらプレーしていたものの、11日の巨人戦で痛みが強くなり、検査で肉離れが判明した。早期復帰を目指して懸命にリハビリし、8月6日のウエスタン・ソフトバンク戦で実戦復帰した。

 「龍馬が復帰して初めての試合。問題なくプレーできていたので安心しています」

 序盤に3点を奪いながら逆転を許し、1点届かず痛恨の敗戦。新井監督は巧打者・西川の復帰に安どの息をつく。一方で憂慮される出来事もあった。つなぎ役として貢献する野間がベンチ入りを外れた。指揮官は心配そうな表情で説明する。

 「首の方を少しね。なので、今日は上がりにして治療してくれという形。明日はまた状態を見て判断したい」
 4番打者が復帰した日に、今度は2番打者がベンチ外。タレントがそろわないのが現実でも、新井監督が想定する8月中旬の勝負どころに向け、力を振り絞って立ち向かわなければならない。ナインは百も承知だ。

 「僕は、今からが勝負だと思っている」

 西川が1軍復帰を前に発した言葉だ。巨人を突き放した首位・阪神とは3・5ゲーム差。これ以上、離されるわけにはいかない。(江尾 卓也)

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