【甲子園】クラーク・佐々木監督 次戦VS麟太郎は満塁でも申告敬遠?名将早くも奇策予告

[ 2023年8月9日 06:00 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会第3日 1回戦   クラーク7―1前橋商 ( 2023年8月8日    甲子園 )

<前橋商・クラーク>ウイニングボールを受け取る佐々木監督(右)(撮影・藤山 由理)
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 67歳のベテラン監督は、不敵な笑みを浮かべた。昭和、平成、令和での3元号勝利を挙げたクラーク(北北海道)・佐々木啓司監督。さらに、通信制高校としての甲子園初勝利に加え、同校にとっても4度目の挑戦で初勝利だった。それらの余韻に浸ることなく、試合後の取材では早くも花巻東との次戦を見据えた。

 「申告(故意四球)もあるかもしれないよ。満塁でもね。やっぱりね、満塁で申告(故意四球)で1点だったらいいんじゃないですか。そういう太っ腹を持ちながら戦うのが夏かもしれない」

 指揮官の中で、既に2回戦のゴングは鳴っていた。クラークの直前にあった第1試合では、花巻東が10安打4得点で初戦を突破。相手バッテリーの執拗(しつよう)な内角攻めに対し、徹底した逆方向への打撃で3安打1打点した佐々木麟を筆頭に、打線の充実ぶりが際立った。次戦、走者を抱えた場面で、高校通算140本塁打を誇る怪物に長打を食らえば目も当てられない展開となる。

 かつて強打の「ヒグマ打線」の異名を取った駒大岩見沢を率いて11度の甲子園出場を果たした。長年の経験から、打線の「導火線」を熟知。もちろん、自チームにも目を向け「しっかり調整して頑張れるように準備したい」と2勝目を貪欲に狙った。

 92年夏の甲子園大会では星稜・松井秀喜(のち巨人、ヤンキースなど)が明徳義塾戦で5打席連続敬遠され、日本中で物議を醸した。佐々木監督が示唆した異例の策は「最悪のケース」を回避するための一案。令和の甲子園に、新たな伝説が生まれる可能性がある。(柳内 遼平)

 ≪史上2人目の3元号勝利≫クラーク・佐々木啓司監督が昭和、平成、令和での3元号勝利を達成した。駒大岩見沢の監督として「昭和」で3勝。「平成」では93年春に4強へ進出するなど4勝を挙げた。昭和、平成、令和の3元号勝利の達成は大垣日大・阪口慶三監督に次いで史上2人目。

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