ソフトB近藤 8・9“野球の日”30歳誕生日前祝い16号3ラン 右膝全快間近、守備復帰へGOサイン

[ 2023年8月9日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3―9楽天 ( 2023年8月8日    ペイペイD )

<ソ・楽>6回、同点3ランを放った近藤は雄叫びを上げる(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクは8日の楽天戦で、右膝に不安を抱える近藤健介外野手が、4番DHで出場し0―3の6回1死一、三塁から左翼テラス席への一時同点となる16号3ラン。きょう9日に迎える30歳の誕生日を前に自ら祝砲を放った。藤本監督は楽天3連戦後にも守備解禁を示唆するなど全快間近だ。試合はリリーフ陣が踏ん張れず連勝は2でストップ。首位・オリックスが勝利したためゲーム差は今季最大9・5差に広がり再び自力Vの可能性が消滅した。

 ちょこちょこと小刻みに6歩。近藤は確信歩き後にダイヤモンドを一周した。やはり、この男は、ひと振りで流れを変えられる。

 「自分のバッティングをすることだけを心がけて打席に入りました。苦しい展開が続いていた中で追いつく一本になって良かった」

 0―3の6回1死一、三塁。1ストライクから先発・早川の外高め直球を引きつけ、かぶせ気味にきっちりと叩いた。「逆方向への意識が、いい結果になった」。大飛球は左翼テラス席にストンと落ちた。2試合ぶりのアーチは8月2本目。反攻への着火剤となる一時同点の16号3ランだ。

 これで柳田を抜いてチーム単独トップの16本目。打点もリーグトップの61打点を快走する。バット軌道は走っているが気になるのは右膝。7月30日のロッテ戦の中堅守備で同箇所をひねった。1日の西武戦から6試合連続でDH。この日は3試合ぶりに4番に戻った。さらに試合後は「だいぶ良くなってきました」と全快間近であることを明かす。藤本監督の耳にも、朗報は届いている。「(楽天)3連戦後には守備に就けるように頑張るとトレーナーからの報告も来ている。近藤がね、少ないチャンスで、よく追いついてくれて。そのあとやね」と悔やんだ。

 0―2の4回1死では中前打でチャンスメーク。この日、2安打3打点。チーム唯一のマルチ安打も刻んだが打線はつながらず、連勝も2で止まった。この日、首位オリックスがロッテに快勝。2日に西武戦に敗戦して以来となる2度目の自力優勝の可能性が消滅。さらに首位とは今季最大9・5ゲーム差まで拡大した。ただ、きょう8月9日の野球の日は近藤の30歳の誕生日。すでに前祝い弾で自らに花を添えた男は、少しだけ意識して言った。「何とか勝ちにつなげられるように、いい誕生日になるように頑張ります」。今日のバースデーでは、ヒーローに――。そんな勝負強さを持っている。(井上 満夫)

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