オリ・宮城 8回零封で8勝目 初完封したかったけど…中嶋監督から「由伸さんじゃないからダメ」

[ 2022年8月21日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス6―0西武 ( 2022年8月20日    ベルーナD )

<西・オ>力投する宮城(撮影・尾崎 有希)
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 オリックス・宮城は8回1死満塁で源田を外角141キロで遊ゴロ併殺に仕留めてベンチに戻っても、右手にグラブをはめていた。ちょうど100球。中嶋監督に熱視線を送り続けるなど、無言のアピールを試みた。

 「“おまえは由伸さんじゃないからダメ。バテているからダメ”と言われました…。前回“ゼロだったら行かせる”と言われたのに。どこかで行かせてもらいたいなと思います」

 25日が誕生日。念願のプロ初完封は持ち越しても、20歳最後の登板を快投で飾った。前回登板から模索している2段モーションで、140キロ台中盤の直球に90キロ台前半のカーブを織り交ぜて緩急を駆使。西武打線に的を絞らせなかった。

 8回無失点で8勝目。今春キャンプ中から公私で慕う兼任投手コーチの能見に「8勝しかできないと思うよ」とハッパを掛けられていたラインに到達した。「8勝以上したら、能見さんに舞洲(の選手寮)に車で迎えに来てもらい、京セラまで送ってもらう約束をしています。男同士の約束ですので。舞洲で、ゆっくり待とうかなと思います」。ちゃめっ気たっぷりに笑った。

 昨季6戦6勝だった西武に今季4度目の対戦で初勝利。前日のエース・山本の完投勝利から受けたバトンをつなぎ、首位・西武に2連勝で今季最多の貯金5とし、3位ながら1・5ゲーム差に詰め寄った。来週末も同じ顔合わせが予想され、山本は昨季から西武戦7連勝中、宮城も“西武キラー”復活なら逆転優勝が現実味を帯びてくる。「みんなで一つずつ勝ち取って優勝したい」。昨季Vの原動力だった左腕が今季もキーマンだ。 (湯澤 涼)

 《自力V復活していた》オリックスが首位・西武に2連勝し、1・5ゲーム差に迫った。首位と1・5差以内になるのは、西武と1差だった1日以来。13日には2位・ソフトバンクに対して自力優勝の可能性が消滅したが、オリックスに試合のなかった18日にソフトバンクが敗れたことで復活。現在は日本ハム以外の5球団に自力優勝の可能性が残る大混戦となっている。

 《打線も奮起》テンポのいいオリックス・宮城の快投が打線の奮起を促した。2回1死一塁では頓宮が中堅左へ先制の決勝二塁打を放ち、8回には宗の3号3ランなど一挙4得点。中嶋監督は「序盤は(与座に)打たされて苦しかったですが、宮城が頑張ってくれたおかげで打線も頑張れたと思う」と評価し、「(宮城は)7回くらいに足がつりかけて。で、8回あんな感じになったので(9回は)やめました」と説明した。

 《椋木21日西武戦で復帰》21日の西武戦で新型コロナ感染からの復帰登板に臨むオリックス・椋木は「状態は戻ってきていますし、自信を持って投げたい」と意気込んだ。ノーヒットノーラン寸前だった7月20日の日本ハム戦以来の登板で、西武は同7日に6回無失点で初登板初勝利を挙げた相手。快投再現に期待がかかる。先月24日の検査で陽性判定を受けて離脱。回復後は13日のウエスタン・リーグ、中日戦で実戦調整して4回1失点だった。

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2022年8月21日のニュース