福島敦彦氏 近江、難しかった山田君の継投タイミング「もう少し早い段階でもよかったが…」

[ 2022年8月21日 04:03 ]

第104回全国高校野球選手権第13日・準決勝   近江2―8下関国際 ( 2022年8月20日    甲子園 )

近江・山田
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 近江は前半の逸機が結果的に響いた。2回1死二、三塁でスクイズ失敗(記録は捕邪飛)による併殺と5回1死満塁の勝ち越し機で後続が凡退し、ともに無得点。一度もリードを奪えなかったことで劣勢を強いられた。

 山田君は疲労と準々決勝で痛めた右太腿裏の状態が万全でなかったのか、下半身を使った投球ができなかった。初回から球にキレがない中でマウンド経験を生かし相手打者を打ち取ったが、必然的に球数が増えた。もう少し早い段階で星野君に継投してもよかったが、仕方ない部分もあるだろう。

 一方で、下関国際は1点リードした2回無死一、二塁で先発の古賀君を諦めたことは英断。救援した仲井君の気持ちを前面に出す投球が野手陣のリズムを生んだ。2回のスクイズの飛球を捕球した橋爪君の落ち着いた三塁手への送球や5回1死満塁での中堅・赤瀬君のスライディング捕球は決して偶然ではない。盗塁、ヒットエンドラン、8回の連続スクイズなど最後まで「攻めの姿勢」を貫いた坂原監督の采配も光った。 (報徳学園、慶大、中山製鋼元監督)

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