坂本 エンジン全開!首位発進 2大会連続の五輪切符へノーミス演技

[ 2021年12月24日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権第1日・女子SP ( 2021年12月23日    さいたまスーパーアリーナ )

演技の途中で笑顔を見せる坂本(撮影・小海途 良幹)
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 女子ショートプログラム(SP)が行われ、18年平昌五輪代表の坂本花織(21=シスメックス)が79・23点をマークして首位発進した。2位の樋口新葉(わかば、20=明大)から5位の三原舞依(22=シスメックス)までは1点差の大混戦となった。アイスダンスのリズムダンス(RD)では村元哉中(かな、28)高橋大輔(35)組(関大KFSC)が63・35点で2位、小松原美里(29)尊(30)組(倉敷FSC)が68・16点で首位スタートを切った。

 躍動感あふれる坂本がトップに立った。冒頭のダブルアクセル(2回転半)に始まり、3回転ルッツ、フリップ―トーループの連続3回転と全てのジャンプを成功。「グラディエイター」をミスなく滑りきって両拳を握りしめると、キスアンドクライではスコアを聞いて満面の笑みを浮かべた。

 「4年前は運が良ければ(五輪出場の)2枠に入りたいと思っていたけど、今年は優勝して五輪内定を決めたい気持ちだった」

 17歳の挑戦者として無欲で平昌行きを射止めた時とは違う。優勝争いの本命としての重圧をはねのけ、国際スケート連盟(ISU)非公認ながら自己ベストをマーク。2位に4・57点差をつける強さで混戦を抜け出した。

 連覇を果たした11月のNHK杯後は体調不良で1週間近く寝込んだ。それでも、必死の練習で調子を上げ、この日の演技前には体を温めるために会場の外を走った。「先生たちにフェラーリと言われていて。“エンジンが掛かるまでは遅いけど、掛かったら動く”と。自分は動けば動くほど、動けるタイプ」。ギアを上げた21歳は、氷の上でもエンジン全開だった。

 大会前には振付師のブノワ・リショー氏にオンライン指導を仰いでブラッシュアップ。勢いに加え、細部にまでこだわった演技で高得点を叩き出した。

 「今日の出来は自分の中でも良かった。フリーも最後まで集中を切らさずに、パーフェクトでやりたい」

 2大会連続となる五輪へ――。全日本を制し、文句なしで当確ランプをともす。

 ▽女子の北京五輪代表選考 日本は3枠。全日本選手権の優勝者を最優先とし、残る2人は総合的に選ぶ。全日本の2、3位、GPファイナル出場権獲得者(坂本)、国際連盟(ISU)今季ベストスコア上位3人(坂本、三原、宮原)を満たす選手から2人目を決める。さらに、上記基準を満たして選考から漏れた選手と世界ランク上位3人(坂本、紀平、樋口)、今季の世界ランク上位3人(坂本、樋口、三原)らから残る1人を選ぶ。

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