岡崎真氏　不可能を可能にしてきた羽生　フリーの演技に注目

フィギュアスケート全日本選手権第1日・男子公式練習 （ 2021年12月23日    さいたまスーパーアリーナ ）

4回転半ジャンプでほぼ成功した羽生（撮影・小海途　良幹）
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　【岡崎真の目】4回転半ジャンプを成功するためにまず一番大切なことは、ケガをしないこと。いくら高く跳んでしっかり回っていても、軸が傾いたりよじれたりすると転倒した時にケガにつながるリスクが大きい。真っすぐな軸でなるべく氷面に対して垂直に近い状態で跳ぶのが一番安全で、その後に回転や高さを補っていけばいい。

　羽生が軸を大切にしているというのはよく分かるし、実際に彼の普段のジャンプと比べると回転速度がさほど速くないので、今回はとりあえず必要な高さと真っすぐな軸に重点を置いて練習したということなのだろう。

　半回転ほど足りていなかったが、見た感じではすでに滞空時間や高さは4回転半回れるだけのものがある。目いっぱいの4回転ではなくまだ余裕がある4回転のように見えるので、回転速度が上がればきちんと回りきる可能性は高い。もちろん本人がいう通り、条件が全て整わないと成功は難しいのかもしれないが、これまでも不可能を可能にしてきた羽生だけにフリーの演技に注目したい。（ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ）