IT事業委託による損失問題で倉本会長の責任は認定されず PGA臨時理事会

[ 2021年12月24日 21:21 ]

日本プロゴルフ協会(PGA)の倉本会長
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 IT事業で約1300万円の損失を出した問題で、日本プロゴルフ協会(PGA)は24日、臨時理事会を開き、監督官庁である公益認定等委員会からの報告要求に対する回答について審議した。

 倉本会長らは、アマチュアとプロゴルファーを結びつけるマッチングサイト構築などのIT事業を、井上建夫副会長(当時)の親族が経営する会社に委託した。しかし同社はサイトを完成させる前に経営破綻。同社に支払った約1300万円が回収できなくなった。

 今年5月に第三者委員会が出した報告書は「利益相反には該当しない」と結論づけたが、公益認定等委員会からは「役員の任務懈怠(にんむけたい)」「特別な利益供与」に関する調査が不十分だとして、9月と12月の2度報告要求を受ける事態に発展した。

 PGAでは改めて第三者委員会を立ち上げて再調査。第三者委員会は12月に提出した報告書で、倉本会長に任務懈怠責任が発生し、因果関係が認められる損害は330万円であると指摘した。

 この日の臨時理事会では、報告書を基に議論を行ったが、採決の結果、賛成3、反対12、棄権10で倉本会長の任務懈怠責任は認定されなかった。また倉本会長からは損失を補てんする意思が示されたが、補てんの必要はないとの意見も出たため、最終的に倉本会長に一任された。

 井上氏は5月に副会長を辞任しているが、道義的責任を取り、年内で理事も辞任することが了承された。また第三者委員会の弁護士の提言を受けた再発防止策が承認された。

 PGAは臨時理事会で出た結論を公益認定等委員会に報告する。また、来年1月27日に代議員を対象にした説明会を実施し、報告書を作成し、公式サイトで公開する。

 今回の騒動では倉本会長の解任を求める声も上がっていたが、任期満了の来年3月で退任する意向を表明している倉本会長は「説明会もあるので、3月まで責任を持ってやる形になる」と辞任しない意向を改めて示した。

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