北京五輪、政府代表見送り 橋本聖子会長ら3氏出席へ 米英と協調姿勢

[ 2021年12月24日 12:22 ]

東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長
Photo By スポニチ

 政府は24日、来年2月の北京冬季五輪への対応を巡り、閣僚ら高官による政府代表団の派遣を見送ると発表した。東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の橋本聖子参院議員ら3氏が出席する。松野博一官房長官が記者会見で表明した。日本代表選手団は予定通り大会に参加する。人権問題を理由に政府代表を派遣しない「外交ボイコット」を発表した米国や英国と協調する姿勢を示した形だ。

 来年に国交正常化50年の節目を迎える中国との関係を安定させる必要性を考慮し、岸田文雄首相自らが発表する形は取らない。中国の新疆ウイグル自治区や香港などでの人権侵害に改善が見られず、首相の「人権重視」の立場からも閣僚らの派遣は困難と結論付けた。

 出席するのは、橋本氏のほか、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長、日本パラリンピック委員会(JPC)の森和之会長。

 松野氏は北京五輪への対応が「外交ボイコット」に当たるかどうかを問われ「政府として、出席の在り方について特定の名称を用いることは考えていない」と述べた。

 中国は今夏の東京五輪の際、中国オリンピック委員会のトップを兼ねる立場だった国家体育総局の苟仲文局長を派遣。橋本氏の出席であれば、バランスが取れると判断したもようだ。橋本氏は五輪開会式直前に北京で開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会に参加する予定だ。

 自民党内では中国の人権状況を考慮し「外交ボイコット」論が高まっていた。安倍晋三元首相も23日、岸田首相と会談した際、早期表明を求めたとみられる。

続きを表示

2021年12月24日のニュース