山県 9秒95日本新から一夜、五輪代表最優先そして「アジア新狙いたい」

[ 2021年6月8日 05:30 ]

陸上男子100メートルの日本新から一夜明けた山県は、鳥取空港で明るい表情を見せた
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 陸上・布勢スプリントの男子100メートルで9秒95の日本新を出した山県亮太(28=セイコー)が7日、快挙から一夜明けて鳥取空港で取材に応じた。

 24日に開幕する日本選手権(大阪市・ヤンマースタジアム長居)で3位以内に入って五輪代表になることを最優先にしつつ、記録では「アジア新を狙いたい」と宣言。アジア歴代3位の9秒95を出したことで、カタールのフェミ・オグノデ、中国の蘇炳添(そへいてん)が持つ9秒91に狙いを定めた。

 18年アジア大会決勝では悔しい思いをした。10秒00を出しながら、蘇に9秒92の圧巻の走りをされ、銅メダルだった。ちなみに、この時の銀メダルが、フェミの弟、トシン・オグノデ。浅からぬ縁がある2人のタイムに挑むことになる。

 前夜はお祝いの連絡が多数届き、その中に桐生からの連絡があったことを明かした。

 「LINE(ライン)が来ましたよ。“盛り上げますね”って。だから、“桐生が決勝を棄権したから、かわりに盛り上げといたよ”って返しました」

 帰路の飛行機では、全日空の粋な計らいがあった。機内アナウンスで日本新を祝福された。客室乗務員が「コロナ禍の暗く不安な日々の中、胸が躍るニュースを届けてくださりありがとうございます」と称えれば、コックピットからは「中学時代の100メートル、自己ベスト12秒00の機長よりお祝いを申し上げます」というユーモアあるメッセージが届いた。日本最速男は「めったにないことでうれしい」と照れ笑い。応援を背に、目標へ突き進む。

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2021年6月8日のニュース