海外メジャーで日本勢躍進、ゴルフ界進化の背景に「国際経験」「藍の存在」

[ 2021年6月8日 05:30 ]

笹生優花 全米女子オープン史上最年少V

19年全英女子オープンを制した渋野
Photo By スポニチ

 近年の海外メジャーでは日本人の躍進が続いている。19年AIG全英女子オープンで渋野日向子(22=サントリー)が日本女子として42年ぶりに海外メジャーを制覇。今年4月のマスターズでは松山英樹(29=LEXUS)が日本男子で初めてメジャータイトルを手にした。

 その要因について日本ゴルフ協会(JGA)の山中博史専務理事は「国際大会の経験が大きい。いろんな国に行って、すぐ好成績を残すことは難しい。ジュニアの頃から海外で経験を積むことが全体のレベルアップにつながる。JGAはそういう方針で選手を強化している」と分析した。

 松山は東北福祉大在学中にアジアアマチュア選手権で2連覇を達成。2度のマスターズを含め米ツアーにもスポット参戦した。同大のゴルフ部でも海外遠征を行っていた。

 笹生も世界ジュニア選手権、全米女子アマチュア選手権など多くの国際大会で戦ってきた。フィリピン代表としてアジアと欧州の対抗戦に出場したこともある。

 山中専務理事は「海外のゴルフ場は、芝の質もさまざまだし、日本のように整備の行き届いたところばかりではない。そうした環境でプレーすることでテクニックも精神的にもタフになる」と指摘する。

 またインターネットの普及によってトレーニング方法、練習方法などの情報が入手しやすくなったことも底上げにつながっている。

 03年に高校3年生で国内ツアーを制した宮里藍の影響も大きい。畑岡も笹生も宮里に憧れて、ゴルフに熱中した世代。米ツアーで活躍し世界ランキング1位になった宮里を見て、早くから世界に目を向けていた。海外メジャーで勝てるかどうかは個人の能力によるが、日本のゴルフ界が進化していることは確かだ。

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月8日のニュース