西村 3差逆転でミレニアム世代メジャー初優勝!大会史上最も小柄1メートル50のヒロイン誕生

[ 2021年5月10日 05:30 ]

女子ゴルフツアー ワールド・サロンパス・カップ最終日 ( 2021年5月9日    茨城県 茨城GC東C=6630ヤード、パー72 )

優勝し古江(左)の祝福を受け笑顔を見せる西村(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 首位と3打差の2位から出たミレニアム世代の西村優菜(20=スターツ)が6バーディー、1ボギーの67で回り、大会最少ストロークを1打更新する通算14アンダーとし、逆転でメジャー初優勝を飾った。昨年の樋口久子・三菱電機レディース以来の今季2勝目、ツアー通算2勝目。2000年以降生まれでは初のメジャー覇者となり、3年シードを獲得した。

 笑顔が満開だ。ウイニングパットを沈めた西村は両手を突き上げ白い歯を見せた。「メジャーは高い位置付けの試合。4日間60台で回ることを目標にしていた。達成できて優勝できてうれしい」

 最終組で3打差を追った。2つ伸ばした後、6番で落としたが、7番で5メートルを沈めてバウンスバック。12、13番の連続バーディーで単独首位に浮上。17番でも5メートルをねじ込み大会新記録の通算14アンダーまで伸ばした。

 身長1メートル50で18年の申ジエの1メートル55を更新し大会史上最も小柄な優勝者になった。1Wの平均飛距離は231・79ヤード(61位)。2打目の距離が残るが、ショートウッドを駆使しグリーンを捉える。12番は残り190ヤードから7Wで1・5メートルにつけてバーディー。「ショートウッドは自信がある。アイアンと同じように打てたらいい」

 オフはショートゲームの練習に時間を割いた。アプローチは基本的な打ち方を繰り返した。「今週はチップインが3回。グリーン周りからバーディーを狙えるようになった」。パットはシャフトが軟らかいパターを使い毎朝「リズム良く打つ」練習をしている。地道に培った技術で、最終日はツアー史上最速の14フィートに設定された高速グリーンを攻略した。

 母の日に快挙を成し遂げた西村は「この日に勝てたのが凄くうれしい」と涙ぐんだ。ツアーに同行しサポートする母・枝里子さん(45)に「自分のことを犠牲にしてくれている。初優勝の時も何もあげていないので、2倍でプレゼントしたい」と感謝した。

 初優勝と同じ逆転勝ちで2000年以降生まれで初めてメジャーを制した。世代をけん引する20歳は「今年は複数回優勝と賞金ランキング5位以内が目標」と視線を上げた。

 《中島コーチは冷静さ称賛》西村のコーチ・中島敏雅氏は西村の練習拠点でもある兵庫県三木市のアカデミーで朗報を聞いた。「メジャーは狙って勝てるものじゃないですけど冷静にマネジメントができるし、状況が難しくなれば力を発揮するタイプ」と称えた。今年開幕直後はスイング中に右手を離して帳尻を合わせる不調時の兆候が出たが、実戦で勇気を持って振り抜くよう心掛けて改善。1カ月前から最大の武器であるショットの精度が戻ってきたという。

 ◆西村 優菜(にしむら・ゆな)2000年(平12)8月4日生まれ、大阪府出身の20歳。5歳でゴルフを始める。大商大高1年時の16年日本女子オープンで6位。19年プロテスト合格。昨年の樋口久子・三菱電機レディースでツアー初優勝。1メートル50、50キロ。

 【勝者のクラブ】▼1W=キャロウェイ・エピック SPEED(ロフト角9度、シャフトの硬さSR)▼3、5W=キャロウェイ・エピック SPEED(15、18度)▼7、9W=キャロウェイ・グレートビッグバーサ(21、24度)▼6U=キャロウェイ・エピック STAR▼6I~PW=キャロウェイ・X FORGED▼ウエッジ=キャロウェイ・JAWS(50、58度)▼パター=オデッセイ・ホワイトホット OG #7S▼ボール=キャロウェイ・クロムソフトX トリプルトラック

続きを表示

この記事のフォト

2021年5月10日のニュース