順大2年・三浦、男子3000メートル障害18年ぶり日本新!6月五輪切符獲りへ弾み

[ 2021年5月10日 05:30 ]

陸上 東京五輪テスト大会 ( 2021年5月9日    国立競技場 )

男子3000メートル障害決勝、日本新記録で優勝した三浦龍司(左から2人目)(撮影・小海途 良幹)
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 無観客で行われ、男子3000メートル障害は順大2年の三浦龍司(19)が8分17秒46の日本新記録で優勝した。順大の先輩である岩水嘉孝の日本記録を18年ぶりに1秒47更新し、8分22秒00の五輪参加標準記録も突破。五輪本番の会場で16年リオデジャネイロ五輪6位相当の好記録を叩き出し、初の五輪切符に弾みをつけた。

 フィニッシュを駆け抜けた三浦は、目標としていた五輪参加標準記録どころか大先輩の日本記録も上回る好タイムに笑みをこぼした。「参加標準を最優先に考えていたので自分でもビックリ。予想したタイムを上回った。うれしい気持ちが強い」と喜びに浸った。

 積極的なレースを展開し、中盤に順大の先輩で「憧れの存在」と語る塩尻和也(富士通)が仕掛けても焦らなかった。「出てくれれば自分にプラス」と冷静に2000メートル付近で先頭を奪い返し、ラスト1周の鐘の合図でさらにギアを上げて後続を突き放した。日本では珍しいトラック内側の水濠(すいごう)は初経験ながら「当たって砕けろで合わせた」と難なく対応。本番の予行演習としても納得の内容で「環境に慣れることも一つだった。五輪へ現実味が増した」とうなずいた。

 昨春、3000メートル障害の高校記録保持者として鳴り物入りで順大に入学。7月には日本歴代2位の記録をマークし、スーパールーキーとして注目された。11月の全日本大学駅伝では1区区間新記録を打ち立て、今年の箱根は1区区間10位。この1年で「ラスト2周、ラスト100のスピードアップのギアが増えた」と武器のスパートをさらに強化し、いかんなく発揮した。

 「母親に標準記録突破を見せられたら」と話していた母の日の約束も果たし「良いプレゼントになった」と笑顔。19歳のホープは「世界と戦うならもっと記録を残さないと」と上を見据えつつ、五輪切符獲得が懸かる6月の日本選手権へ「プレッシャーで崩れないように落ち着いて向かいたい」と静かに闘志を燃やした。

 ◆三浦 龍司(みうら・りゅうじ)2002年(平14)2月11日生まれ、島根県浜田市出身の19歳。国府小1年から陸上を始める。浜田東中―京都・洛南高―順大。20年7月にホクレン中長距離チャレンジの3000メートル障害で日本歴代2位となる8分19秒37をマーク。同年10月の箱根予選会では1時間1分41秒で大迫傑のハーフマラソン20歳以下日本記録を更新。1メートル67、55キロ。

 ▽3000メートル障害 3000メートルで障害物を28回、水濠を7回越える。各周に5個の障害物があり、4番目が水濠になっている。障害物の高さは男子が91・4センチ、女子が76・2センチ。手をかけて越えることは問題なく、外側を走ること、くぐることは禁止。海外の多くの水濠はトラック内側に設置されている。五輪参加標準記録は8分22秒00で、突破した選手は6月の日本選手権3位以内で代表に内定する。

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