照ノ富士 1335日ぶり大関白星 冷静さ保って明生を豪快きめ出し

[ 2021年5月10日 05:30 ]

大相撲夏場所初日 ( 2021年5月9日    両国国技館 )

きめ出しで明生(右)を破り大関復帰初戦を飾った照ノ富士(撮影・篠原 岳夫)
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 先場所3度目の優勝を飾り、21場所ぶりに大関に復帰した照ノ富士(29=伊勢ケ浜部屋)が明生(25=立浪部屋)を豪快にきめ出し、大関として1335日ぶりの白星を挙げた。横綱不在の中、16年夏場所以来5年ぶりに4大関が白星発進。4大関安泰も16年九州場所5日目以来となり、無観客で初日を迎えた2年ぶりの夏場所は波乱なくスタートした。

 照ノ富士がもろ差しの明生を抱え込んで寄った。一度は残されたものの、再度寄って、左から小手投げを打つようにきめ出した。差し手を引き抜いて“ロック解除”した相手右腕をきめ直す用意周到さで、大関の存在感を誇示した。

 「先に攻めることができたし、前へ攻められて良かった」。勝因を振り返り、無観客の場内にも「テレビの前で応援してもらえると思う。やることは変わらない」と取組に集中した。

 最初の立ち合い。先に手をついた大関に、明生が応じず待ったになった。「合わなかった。というか、合わせてくれなかった」。あふれ出る闘争心を封印せず、言葉に怒気をはらませる場面もあった。それでも審判長の高田川親方(元関脇・安芸乃島)は「じらされたけれど落ち着いていたのが良かった」と土俵上で保った冷静さを称えた。

 所要7場所で返り咲いた魁傑を超え、17年秋場所3日目、栃ノ心戦以来の大関での白星はもちろん史上最長ブランク。だが、目指す頂が横綱にある以上、「特に深い考えはないです」と1勝の感慨にふけることはない。八角理事長(元横綱・北勝海)が「こういう相撲を見ると安定している。中心でしょうね」と優勝候補筆頭に挙げたカムバック場所が始まった。

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