無観客で五輪テスト大会 もし本番が有観客なら動線はどうするのか

[ 2021年5月10日 05:30 ]

陸上 東京五輪テスト大会 ( 2021年5月9日    国立競技場 )

国立競技場で陸上のテストイベントが開催される(撮影・小海途 良幹)
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 【記者の目】緊急事態宣言の延長、開催に否定的な世論と競技場外では東京五輪開催に強い“逆風”が吹くのとは対照的に、陸上のテスト大会自体は粛々と進行した。オペレーション(手順)確認に重きを置いた午前中のレースでは、本番の無観客も“想定”したのか、大歓声をスピーカーから流すという苦肉の策で盛り上げを演出。男子1500メートルに出場した館沢亨次(DeNA)は「(無観客でも)ぜいたくは言えない」と前置きした上で「いつかここが満員になって走れることを夢見て、選手は我慢の時なんじゃないかなと感じた」と話していた。

 五輪花形競技のテスト大会で大勢の観客を入れた予行演習ができなかったことはコロナ対策で観客動線などオペレーション確認の意味でも課題が残る。それでも、運営面だけを見ればテストとしては一定の成果もあった。マラソン同様、競技進行には大きな混乱は発生せず、中長距離では先頭と後続の距離を「+1・6メートル」などとリアルタイムで表示するなど会場にいる観客がデータでも楽しめる試みが目を引いた。

 ただ、それも組織委側は有観客が前提だ。反対デモも行われた場外の喧騒(けんそう)をよそに、世界陸連のコー会長は「日本の保健行政とも連携して、きちんと対策をして感染拡大を防ぐ。ぜひ安心してもらいたい」と開催に自信を見せる。東京では1000人を超える新規陽性者を確認。五輪に観客を入れるめどは立たず、感染がさらに拡大すれば大会準備が画餅に帰す可能性は十分にある。(陸上担当・河西 崇)

 【テスト大会アラカルト】
 ☆感染対策 入場時の検温で37・5度以上は参加不可。イブニングセッション(午後)の参加者はPCR検査を受ける。

 ☆出場選手 男子16種目、女子17種目の計350人。うち海外渡航選手は9人。大会全体で約1600人の関係者が参加した。

 ☆バブル方式 海外渡航選手と、5月2日までの世界リレー大会(ポーランド)に出場した日本代表は、「アスリートトラック」が適用され、2週間の自主隔離期間なしで出場。検査は毎日実施しホテル、競技場までの移動、練習場などが他の選手と別。外部との接触が遮断される「バブル方式」が取られた。

 ☆大会格付け イブニングセッションは世界陸連のコンチネンタルツアー・ゴールドを兼ねる。日本選手権(Bカテゴリー)よりも上位(Aカテゴリー)に位置付けられ、世界ランク獲得ポイントが高い。午前中は主にオペレーション種目。

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