【女子ソフト連載・監督に聞く(7)】太陽誘電・山路典子監督

[ 2020年8月30日 12:00 ]

太陽誘電・山路典子監督(C)公益財団法人日本ソフトボール協会
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 《“二刀流”藤田の復活とともに常勝軍団も復活!》

 ―昨シーズン(12勝10敗の6位)を振り返って。
「なかなか思うような戦い方ができなかった。勝てる試合を落としたり、粘り強い戦い方ができず、不本意だった。選手の入れ替わりがあり、特に得点力が極端に落ちた。投手陣も点を取れない時に我慢しきれなかった」

 ―今年のスローガンは『つなぐ、つなげる』
「色々な意味がある。何年もかけて作りあげてきたものを去年つなげることができなかったのでそこをつなげられるように。打線もつながりを求めていく。人と人とのつながり…。つなぐという意味を選手自身で見い出してほしい」

 ―新型コロナウイルスによる自粛期間をどう過ごしたか。
「グラウンドや室内練習場で個人練習をしていたので実戦ができなかった。若い選手は対相手というのが大事。そこができなかったのが大きい。全体練習は5月下旬ぐらいから始めた。絶対に感染者を出すわけにいかなかったので例年激しくトレーニングをしていたが、免疫力を下げることはできず、なかなか追い込んだ内容ができなかった。常に体調を気遣って疲労を残さないようにしていた」

 ―注目する野手は。
「1人挙げるとすれば川村。昨年中堅で定着し、どこまで成長してくれるか。運動能力が高く、軸になってほしい。藤田に関しては、投手として考えるとチーム事情で他の若い選手を使ったため、本人のモチベーション維持が難しかったのか少し元気がなかった印象。やはり藤田中心でどこまでいけるかが重要」

 ―注目する投手は。
「軸になるのは間違いなく藤田と尾崎。あとはマウンドでの雰囲気が良くチーム全体が元気になる曽根に加え、山口がどこまで関わってくるかで順位も変わってくる」

 ―新戦力で注目は。
「須田に関しては即戦力で期待したい。内野の守備が堅実。早い段階で使っていければと考えている」

 ―今季の課題は。
「完全に打撃。ただヒット、本塁打を打つということだけでなく、いろんな工夫をこらして得点することが重要だと考えている。今年急に打線の爆発力が増すことは考えにくい。一つのチャンスを確実に生かせるように。確実性を求めていきたい。状況判断をしっかりして、それに対応できるかが大きなカギになる」

 ―後半戦のみとなった今季に向けて。
「全チームに対して一発勝負になる。2回戦う中で上位チームには1勝1敗もしくは2勝、下位のチームには2勝というのが今までのうちの考え方だった。今年は負けを引きずらないのが重要。思っている戦い方ができなかった時に次の試合にいかに自分たちらしさを取り戻していけるかが決勝トーナメントに進める大きな要因になる。今年はより対応力が重要。平常心を保つ色々な準備が必要になってくる」

 ―今季から決勝トーナメントは1枠増えて5チームになった。順位を含めた抱負は。
「うまく戦うことができれば十分優勝を狙えるチャンスはある。どんなに可能性が低くても周りがどう思っていようが私たちは優勝を狙う。5位に入るにはどういう戦い方をするか。粘り強く、一つのミス、一つの負けにとらわれ過ぎず、すぐ次に切り替えて割り切る考え方ができるかどうかが重要になる」

 ―最後にファンへのメッセージを。
「コロナで今国民の皆さんがマイナスの気持ちになっていると思う。アスリートもモチベーション維持など気持ちの面でもすごく難しい状況にあると思うが少しでも明るい話題を提供したい。小さなことでも積み重ねていくことの重要さを見せられるように。日本代表選手だけではなく、日本リーグにはたくさんいい選手がいる。その選手たちが高いレベルですばらしいプレーで戦う姿を見てもらいたい」

 ※太陽誘電・藤田倭選手へのインタビュー動画は、弊社YouTube公式チャンネル「スポニチチャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCCDmd01WsuFBF8n3yMjHQ1A)において8月30日正午頃、公開予定です。

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