貴景勝5連勝 大関で初の勝ち越し「あと4日、一生懸命やる」

[ 2019年11月21日 05:30 ]

大相撲九州場所11日目 ( 2019年11月20日    福岡国際センター )

碧山(左)を押し出す貴景勝
Photo By 共同

 貴景勝が碧山を一方的に押し出して5連勝。大関として初めて勝ち越しを決めた。43度目の優勝を目指す白鵬は竜電を退けて1敗を死守。2敗に宝富士を圧倒した新小結・朝乃山が続き、3敗に貴景勝と、平幕の正代、輝が並ぶ。

 日を追うごとに力強さは増していく。序盤は不安定さも見せた貴景勝が巨漢の碧山を電車道で退けた。大歓声に応える相撲内容で、大関として初めて勝ち越し。そんな余韻に浸る間もなく「ここで気を抜いたら格好悪い。あと4日、一生懸命やる」とすぐに気持ちを切り替えた。

 199キロある碧山のもろ手突きにも動じず、立ち合いで低く攻めて先手を取った。たまらず引いた相手に乗じて押し込んだ。「同じ突き相撲同士。体のデカさが全然違うから気持ちで頑張っていこうと思った」。左目下には前日の琴勇輝戦での傷痕が赤黒く残るものの、ひるまず前に出て勝ち星を積み重ねた。

 大関在位3場所目。新大関の夏場所から時間を要した勝ち越しに「少し遠かった」と吐露した。右膝を痛めた影響で関脇に転落し、秋場所で2桁勝利を挙げて大関復帰。そこで左胸を痛め、再び重症を負ったが、それも乗り越えた。つらい経験を力に変え、精神力を磨き続ける。最低目標を突破し「ラインを上げてそこに向かい一生懸命いけたら」と切り替えた。

 序盤でつまずいたが、腐らなかった。「6日目で3勝3敗だったけど、そこに変な考えを起こさなかった。諦めずにやっていたら何かつかめるものがあるかもしれない」。大関の看板を守った今、視線はさらに先にある。「100%の自分を出せるように一生懸命頑張っていきます」。白鵬とは2差。賜杯を手繰り寄せるため、若武者は最高の準備を続けていく。 

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