【荒磯親方 真眼】朝乃山 当たってから差す新境地

[ 2019年11月21日 08:00 ]

大相撲九州場所11日目 ( 2019年11月20日    福岡国際センター )

右差し左おっつけで、ケンカ四つの宝富士(左)を下し2敗を守った朝乃山(撮影・長嶋 久樹)
Photo By スポニチ

 朝乃山は左四つの宝富士を右四つで圧倒しました。差し勝った要因は「差し身がうまい」「相手の脇が甘い」ということではありません。私も同じようなこだわりがあったのですが、すぐに差しにいくのではなく、相手を壊してから差しにいっています。右で当たってケンカになったとき、宝富士が破裂しているというか、衝撃で肘が開いてしまいました。圧力を与えてから差すため“いただきます”と楽に差すことができます。

 右四つになったら負けないというのがあるので、右を固めて思い切り当たれています。相手には“差されたら終わりだ”と思わせています。それが強さです。当たりの違い、格の違いとも言えます。朝乃山は新境地を開いてきた感じです。

 1敗の横綱には絶対的な強さがありますが、優勝するときは優勝しますし、勝つときは勝ちます。全てに理由があります。今後のためにも、いい相撲を取り続けていくことが大事です。(元横綱・稀勢の里)

続きを表示

この記事のフォト

2019年11月21日のニュース