ジョセフジャパン「キック中心」から戦術の幅大きく広げ進化

[ 2019年10月23日 09:00 ]

ONE TEAMの4年間(2)

田村のキックを起点にトライを生んだ
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 W杯5試合で日本がインプレー中に蹴ったキックの本数は、順に36、22、31、12、26(いずれも大会公式記録による)。試合ごとに、ここまで極端に本数が異なるチームは珍しい。そしてこの結果こそ、ジョセフHCが就任から3年かけて育んできた戦術の幅だ。

 就任当初に掲げたのは、15年までのポゼッション重視のパスラグビーではなく、キックを使ってアンストラクチャー(陣形が乱れた状態)を生み出し、効率的に攻める攻撃スタイルだった。指揮官の母国ニュージーランドでは主流だが、大前提としてFWも含めて高いスキルが要求される。当初は土台が伴わず、就任初戦だった16年11月のアルゼンチン戦は惨敗。その後のフィジー戦でもキックで安易にボールを渡し、合計58分間も14人だった相手に完敗した。

 浸透には時間を要したが、年に2度の代表活動だけでは補えない経験は、多くの選手が参加したサンウルブズで積んだ。そしてイタリア、ジョージアと計3試合を戦った18年6月には、SO田村のキックを起点としたトライが次々に生まれ、成果が見え始めた。

 今年に入るとさらなる進化を遂げることになる。7、8月のパシフィックネーションズ杯。初戦のフィジー戦はボール保持を重視しながら、好機でキックを織り交ぜる攻撃が奏功。計5トライを奪って苦手としてきた相手を圧倒した。続くトンガ戦はガラリと戦術を変え、キックで相手を走らせ、41―7と快勝。しかも当初はパス中心の攻撃プランだったが、選手が試合状況や相手の陣形を見て、柔軟に切り替えた。

 パス主体の攻撃時も、オフロードやバックフリップなど高いスキルを駆使し、4年前から大幅に進化した。どんな攻撃もできる「土台」が備わったことを示す戦いの足跡だった。(特別取材班))

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