気分屋だったサニブラウン少年を本気にさせた2人のオリンピアン

[ 2019年5月13日 08:00 ]

陸上 米大学南東地区選手権 ( 2019年5月11日    米アーカンソー州フェイエットビル )

男子100メートル決勝で9秒99をマークし喜ぶサニブラウン・ハキーム
Photo By 共同

 小学生時代から型にはまらない少年だった。サニブラウンは、小1から習うサッカーと並行しながら、小4年からアスリートフォレストトラッククラブで陸上を始めた。監督の大森盛一さん(46)は、手を焼いた日々を振り返った。

 「なかなか本気で走らないし、ちょっと走ったら、疲れたからもういいや、という感じで走らなくなる。練習をやらないと強くならないよと言っても、僕は強くならなくていいよって」

 本人も熱心ではなかったと自認している。「小学校のころで覚えていることって、あんまりないんですよ。けっこう適当だったので」と笑って語るほどだ。

 大物然とした気分屋に全力を出させるために、大森さんはリレーで2走を任せた。「1走だとトップに立つと手を抜く。前に人がいたら本気になるから」。小6までの3年間、競技に興味を持ってもらうことに注力。技術指導は二の次だった。

 中高一貫の城西大城西に進み、そこで才能が芽吹き始めた。同校の山村貴彦監督(39)は、体の成長を待ってじっくり育てた。

 大森さんはバルセロナとアトランタ五輪の1600メートルリレーに出場し、山村さんはシドニー五輪400メートル代表。2人のオリンピアンの温かい目があって、サッカー少年は、徐々に陸上へとシフトし、のめり込んでいった。

 高校卒業後は、五輪のメダリストを育てた外国のトップコーチの指導を受けている。100メートルと100メートル障害で高校総体に出場した母・明子さんの導きで、世代に応じた適切な教えを受け、大器は花を開かせた。

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