玉ノ井親方の目 今場所は鶴竜の状態がいい 一人横綱の責任感がいい方向に

[ 2019年5月13日 19:51 ]

大相撲夏場所2日目 ( 2019年5月13日    両国国技館 )

<大相撲 夏場所2日目>鶴竜(右)は北勝富士を押しだしで破る (撮影・西川祐介)
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 今場所は鶴竜の状態がいい。馬力のある北勝富士が、立ち合いで当たってすぐに引いていた。それだけ横綱の圧力が強かったという証拠だろう。

 ケガの影響もあって、最近は序盤でこういう力強い相撲をなかなか取り切れていなかった。でも、今場所は体調もよさそうだ。白鵬の休場で一人横綱になり、その責任感がいい方向に出ているようにも見える。

 鶴竜の強みは横からの攻め。出し投げで相手の態勢を崩して勝つのが必勝パターン。左からの上手出し投げのように、横からの攻めは今の力士の中で鶴竜が一番うまい。栃ノ心も横綱に左上手を取られると、窮屈な形になってうまく動きが取れなくなると言っていた。

 上位陣では豪栄道も連勝スタート。碧山を右下手からのすくい投げで豪快に転がした。でも、内容は決していいとは言えない。あの態勢から投げるのであれば、下手ではなく左上手でいかないとダメ。相手が左上手を取ってくる力士だったら、上から抱え込まれたり、投げ返されていたと思う。ただ、内容は良くなくても勝ったことは大きい。このまま白星を重ねていけば、だんだん調子も上がっていくのではないか。

 初日はいいところがなかった高安も、この日は力強い相撲を見せた。貴景勝も2連勝。まだ、2日目が終わったばかりだが、今場所は混戦になるような気がする。千秋楽にはトランプ大統領も観戦にくる予定だと聞いている。元号が令和に変わり、みんな気持ちを新たに頑張ろうという気持ちになっているのではないだろうか。 (元大関・栃東)

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