羽生 今季初戦首位発進、スピン0点評価も4回転2種類決めた

[ 2018年9月23日 05:30 ]

フィギュアスケート オータム・クラシック第2日 ( 2018年9月21日    カナダ・オークビル )

オータムクラシック第2日男子SP、新しい衣装で演技する羽生(撮影・小海途 良幹)
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 男子ショートプログラム(SP)で、五輪2連覇の羽生結弦(23=ANA)が97・74点をマークし、今季初戦を首位発進した。2月の平昌五輪以来となる右足首故障からの復帰戦で、スピンでミスが出たが、サルコー、トーループの2種類の4回転ジャンプを決める上々の滑り出しとなった。女子フリーではSP4位の樋口新葉(18=東京・開智日本橋学園高)が合計167・01点で5位だった。

 新シーズン最初の演技を終えた羽生は苦い笑みを浮かべた。「緊張しました。自分の演技には失望しています。まだ滑り込めていない」。思いもよらぬミスが出て、悔しさがにじんだ。

 演技の流れが乱れたのは3つのジャンプの最後に配置した4回転―3回転の2連続トーループの時だ。4回転の着氷が詰まり、強引に3回転につなげた。「結構、力を使い、若干集中力が切れてしまった」。その後の3つのスピンでミスが相次いだ。足を替えるシットスピンではバランスを崩し、太腿が氷面と平行になる姿勢にできず、まさかの0点だった。

 残りのスピンも最高難度のレベル4を取りこぼした。午前に曲をかけた練習をミスなしで終えた際にはジャンプを指導するジスラン・ブリアン・コーチが「過去最高の練習」と絶賛するほどの出来だったが、本番では勝手が違う。男子66年ぶりの2連覇を達成した2月の平昌五輪から約7カ月。実戦から離れ、鈍った試合勘がリンクで出た。

 しかし、スピン以外の要素はきっちりそろえた。水色の衣装に身を包んだ五輪王者は幼い頃の憧れだった元全米王者ジョニー・ウィアーが演じた「秋によせて」のピアノの旋律に乗って、最初の4回転サルコーをきれいに決めた。ルール変更で出来栄えのプラス評価は3点から5点まで拡大したが、最初のジャンプで3・49点の高評価を引き出した。続くトリプルアクセルも確実に成功させ、右足首故障からの復帰戦で全てのジャンプを決めた。

 「ジャンプは及第点を超えたのかなと思う。プログラムとしてまとまったのは良かった」。大台の100点に2・26点届かなかったが、首位スタート。課題も収穫もあった初陣となった。

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