大坂 自己新10連勝で凱旋V王手、「タノシミ」緊張感を力に

[ 2018年9月23日 05:30 ]

女子テニス 東レ・パンパシフィック・オープン第6日 ( 2018年9月22日    東京・アリーナ立川立飛 )

東レPPOシングルス準決勝 第2セット、ポイントをとりガッツポーズする大坂(撮影・西海健太郎)
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 凱旋優勝に王手をかけた。シングルス準決勝で世界ランキング7位で第3シードの大坂なおみ(20=日清食品)は、世界37位のカミラ・ジョルジ(26=イタリア)を6―2、6―3と圧倒。全米オープンから続く連勝を自己新の10に伸ばした。決勝では元世界1位で現在8位のカロリナ・プリスコバ(26=チェコ)と2年ぶりに対戦する。ダブルス決勝は加藤未唯(23=ザイマックス)二宮真琴(24=橋本総業)組が第1シードのチェコペアを破り、日本勢初の同種目制覇を果たした。

 女性アナがなぜか起立したまま次々に質問を投げかけ、中盤では中高生新聞の記者が司会者の指名を受けて質問した。およそ準決勝後の会見とは思えないガチャついた雰囲気だったが、全てを大坂が笑いでくるんだ。

 ファンへのメッセージを求められると「キョウ…じゃない。キノウ…じゃない」。うーんと考えて「アシタ頑張ります」と日本語を絞り出して笑顔を見せた。最後には質問者の携帯ストラップが気になり「私も聞きたいんだけど、電話についてるそのキャラクターなに?」と逆質問。人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第5部主人公ジョルノ・ジョバァーナと説明されると、知らなかったようで、「オーケー。ありがとうございます」。どこまでもマイペースだった。

 優勝の緊張感とは無縁――。に見えて実はそうでもなかった。全米優勝フィーバーの中で迎えた初戦は緊張しなかったものの、この日の準決勝では「初めて緊張した」という。だが全米オープンで極限の状況を味わった大坂は、それでも力を発揮できた。

 凡ミスを5本に抑えて積極果敢なジョルジの攻めを受け止め、得意のサーブでは9本のエースを叩き込んだ。ブレークポイントすら与えない快勝に「反省点があまり見つからない」というのもうなずけるプレーだった。これで3月の初優勝時に記録した8連勝を上回る10連勝に到達。全米オープンではサーモンベーグルだった朝食の験担ぎは、今大会は「コンビニのおにぎり。サーモンと梅」と日本モードに変わった。周囲のけん騒を笑いに変え、緊張感を力に変え、「次はタノシミ」という凱旋優勝がはっきりと見えてきた。

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