松山英樹が見せた“成長の跡” ゴルファーとしての凄みと人間としての深み

[ 2016年10月22日 09:35 ]

日本オープン優勝スピーチで会場を沸かせた松山
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 男子ゴルフの日本オープンで松山英樹(24=LEXUS)が国内メジャー初優勝を飾った。第1日に1オーバーの71で回り15位発進。第2日はパープレーの70で8位に浮上。第3日に65の好スコアをマークし単独首位に立つと最終日も69と伸ばして逃げ切った。

 会場となった狭山GCはフェアウエアーが極端に狭く、しかも蛇のようにうねっている。狙った方向に打ち出しても少し飛びすぎると深いラフに入ってしまう。松山もフェアウエーキープには苦しんだ。第1日は28・57%で全体の100位。4日間のトータルでも41・07%で41位に低迷した。それでもスコアを崩さないのが松山の凄さだ。

 4日間トータルのパーオン率は68・06%で2位。深いラフからでも正確にボールを運ぶ体の強さと技術があるからに他ならない。そして特筆すべきはボギーを打たない力だ。パーキープ率は84・72%で4位。グリーンを外しても寄せて微妙なパットをねじ込んだ。

 他の選手はグリーン周りのラフに手を焼いていたが「ラフは第2打地点は厳しいけど、グリーン周りは楽に感じた。米ツアーでやっている経験が生きたのかなと思う」と事もなげに話した。まさに米ツアーでの進化を見せつける優勝だった。

 成長の跡が見られたのはプレーだけではない。大会期間中、松山はラウンド後に即席のサイン会を実施していた。連日数百人のファンが列をなしたが、その列がなくなるまで書き続けた。最終日も表彰式後、日が暮れて真っ暗になった中で最後の1人まで対応した。大会を通じてサインをもらったファンは合計5000人に上ったという。

 これまでまじめ一辺倒だったスピーチや取材対応にも変化があった。優勝スピーチでは、最終日の18番で1・5メートルのパーパットを外したことに振れて「最後のパットを入れられるようにしっかり練習したいと思います」と言って観客の笑いを誘った。記者会見では時折笑顔を見せていたし、ジョークを交えたコメントをすることもあった。

 恩師である東北福祉大ゴルフ監督の阿部靖彦氏は「米国に行って明るくなった。大学時代は人前でしゃべれなかったのが、あんなスピーチができるようになった。米ツアーの選手たちはファンサービスや取材対応も積極的にやる。その影響を受けているのではないか」と話した。

 ゴルファーとして凄みを増し、人間として深みを増した松山。10月に開幕した米ツアーの新たなシーズンでも活躍が期待できそうだ。(福永 稔彦)

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