秋本が父超える金!寝技でつかんだ世界一

[ 2010年9月11日 22:03 ]

 【柔道の世界選手権男子73キロ級】決勝、崩れけさ固めでエルモントを力強く抑え込み、世界一へのカウントダウン。勝利を告げるブザーが鳴っても、秋本の表情は引き締まったまま。派手なガッツポーズもなければ、涙もなかった。

 「寝技もすきがあれば考えていた。自分だけじゃなく、サポートしてくれたみなさんとつかんだ金メダル」。背負い投げを得意とする24歳の新王者は、しみじみとした口調で優勝をかみしめた。
 最大の関門は、世界選手権を2連覇していた王己春(韓国)との準決勝だった。ポイントを奪えずに旗判定にもつれ込んだが、寝技で主導権を握って3―0の優勢勝ち。この日、コーチ席で見守った中村兼三が1997年の旧71キロ級を制して以来、この階級で13年ぶりの日本人Vだった。
 66キロ級で2007年大会に出場したが、メダルには届かなかった。その後、減量に苦しみ、階級を一つ上げた。父の勝則さんは75年世界選手権軽中量級銅メダリスト。再び挑んだ世界の舞台で、メダルの色で父を上回った。控えめなコメントに実直な人柄がにじみ出る秋本は「両親のおかげで柔道と巡り合えた。(父を)超えたとは思っていない」と感謝の言葉を並べた。

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2010年9月11日のニュース