上野順、姉妹で連覇の快挙!手足しびれ、意地で金

[ 2010年9月11日 21:54 ]

 【柔道の世界選手権女子63キロ級】すべて一本勝ちで頂点に立った昨年の初優勝とは違う。苦しんで2連覇を達成した女子63キロ級の上野順は「意地とプライドだけで戦った」と言った。首に故障を抱え「手足がしびれていた」という過酷な状態でつかんだ金メダルだった。

 立ち技、寝技とも本来の切れではなかった。特に「一番きつかった」と振り返るのが準決勝だ。研究を重ねてきたファンエムデン(オランダ)に大外刈りを繰り出せず、判定に持ち込まれた。それでも「スタミナでは負けない」と勝負への自信だけは揺るがなかった。「苦しい試合でも勝ちと負けでは全然違う」と誇らしげにほほ笑んだ。
 姉の雅恵に続き、日本勢が姉妹で連覇するのは初の快挙。その姉からは試合会場で「意地でも勝つのよ」と送り出されたという。決勝では首が上がらず、手足のしびれもひどくなったというが「姉妹のサポートが心強かった」と感謝の思いを力に変えた。
 2年後のロンドン五輪へ柱になりつつある存在だ。だが円熟味を増した27歳は「目の前の大会を一つずつ戦っていく」と自分を見失わない。日本女子の園田監督も「何があっても動じない」と認める精神力がその強さを支えている。

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2010年9月11日のニュース