江里口 暁の超特急と並ぶもタイムに不満

[ 2010年9月11日 19:21 ]

 【日本学生対校選手権第2日】向かい風3・4メートルの悪条件はあったものの、タイムは4連覇した中で最も遅い10秒62。「暁の超特急」と呼ばれた吉岡隆徳に肩を並べる偉業にもかかわらず、江里口に笑顔はなかった。

 「ここに合わせてきた。優勝より記録、内容だと思っていた。10秒0台、1台を何度も出せるようにならないと、海外では一瞬ではじかれる」。国内、まして学生の大会ならば勝利は当たり前。大学4年間の集大成として記録にこだわったからこそ、平凡なタイムを許せなかった。
 スタート直後に両脚のふくらはぎが「軽くつったような感じ」になる異変もあった。3歩目までに加速がつかず、持ち味のスタートダッシュが不発。「高校生のようにただ一生懸命に走っただけだった」と唇をかんだ。
 慰めは偉大な先輩の足跡をたどれたことか。1932年ロサンゼルス五輪6位の吉岡以外で、五輪と世界選手権の100メートルで決勝のスタートラインに立った日本選手はいない。「もちろん知っている。僕も吉岡さんのように五輪で決勝に行きたい」と少しだけ表情を緩めた。

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2010年9月11日のニュース