松本 誕生日に歴史的な金メダル

[ 2010年9月11日 21:50 ]

 【柔道の世界選手権女子57キロ級】獲物を狙うような鋭い視線には、金色のメダルしか映っていなかった。女子57キロ級の松本は「メダルを取るのではなく、金メダルを取る思いだけだった」と興奮冷めやらぬ表情で話した。

 単なる優勝ではない。23回目の誕生日に大きな花を添えるばかりか、世界選手権の日本男女で通算100個目の金メダルという巡り合わせにもぶつかった。「ラッキーでした。最高の誕生日にもなった」。そして何より歴史に名を刻んだのが、五輪と世界選手権を通じて日本女子がだれも制していない階級(旧56キロ級を含む)で頂点に立ったことだ。普段は辛口の日本女子の園田監督を「やっと(金メダルを)取れる選手が出てきた。ホッとしました」と喜ばせた。

 野性味あふれる柔道は決勝を見守る観客を沸かせた。終始攻め続け、場外へ逃げようとするモンテイロの足をつかんで呼び戻す場面が何度もあった。延長戦にもつれ込んで7分39秒、小気味よい小外刈りで一本。両手をたたいて世界一をかみしめた。
 昨年は準々決勝で右手甲を骨折して5位。悔しさと痛みで泣きながらシャワーを浴びたという。「この一年は本当にリベンジしたい気持ちだった」。笑顔も金メダル級の輝きだった。

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2010年9月11日のニュース