勢いには乗れなかった浜口、執念で「銅」は確保

[ 2010年9月11日 01:36 ]

女子72キロ級3位決定戦 スペイン選手を攻める浜口京子(上)

 【世界レスリング女子72キロ級】最後の3位決定戦は執念で銅メダルを確保したが、7年ぶりの世界女王の夢はかなわなかった。勝ちを意識した慎重な戦いぶりの浜口は準決勝で実力者のアクフォ(カナダ)を攻めあぐね、第3ピリオドにクリンチ勝負からポイントを取られて敗戦。32歳のベテランは日本女子でただ一人、五輪階級の金メダルを逃し、ぼうぜんとした表情で天を仰いだ。

 2003年の優勝を最後に頂点からは遠ざかっていた。04年アテネ、08年北京両五輪で銅メダル獲得などと第一線で戦い続けたが、北京五輪後の世界選手権で3位に入った後に休養し、心身ともリフレッシュしてきた。
 女子日本代表の栄和人監督は「経験豊富な選手。あれこれ指示を受けるよりも自分でベストな選択をしていけばいい」と自主性を重んじる調整を認めた。浜口は「技術面が安定してきた。考えていることと体の動きが一致してきた」と手応えを得たはずだったが、初戦から一時リードを許すなど勢いに乗れなかった。
 モスクワは1995年に世界選手権に初出場した原点の地。「あのときは世界の壁の厚さを痛感して泣いた。成長した自分を見せて、優勝できればいい」と誓って臨んだが、再び壁にはね返された。(共同)

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2010年9月11日のニュース