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アカクラゲ地獄も良型キス一荷 “難敵”攻略 アナゴと合計ツ抜け

[ 2021年6月23日 07:13 ]

良型シロギスを一荷で釣り上げた水野健斗さん
Photo By スポニチ

 【ガイド】江戸前2大釣魚、シロギス&アナゴを一度に狙う。この時季限定の風物詩で手軽に楽しめるはずだが、今季は食い渋り気味。なぜだ?釣果を大きく左右する“敵”はコイツだったのね…。(久世 明子)

 二股は批判されるところだが、二兎(にと)は追ったっていいじゃない!しかも午後から出船。朝弱記者にはうれしい限りだ。浮かれ気分で訪れたが、川崎・中山丸の中山和哉船長(35)の表情は暗い。その理由は釣り始めて分かった。

 まずは中ノ瀬でシロギスを攻める。オモリで海底をトントンと叩くように誘いをかけると、ツツツ…と小気味よい当たりが伝わった。上がってきたのは18センチ級。パールピンクに輝く魚体は、海の女王にふさわしい。ニンマリするが、後が続かない。元凶は仕掛けに絡まるモズクに似た赤茶色の謎の物体。これがアカクラゲの触手だ。中山船長は「アカクラゲが仕掛けに付いたままでは食いが落ちるので、必ず取ってください」とアドバイス。水温上昇とともに増える厄介もの。ハンパない確率でくっついてくる。

 同乗者が苦戦する中、品川区の水野健斗さん(37=自営業)は良型キスを一荷でヒット。「たまたまです」と謙遜するが、昨年以降、週1ペースでキス&アナゴ船に乗船する猛者で「両方とも食べておいしいですからね」とニッコリ。木更津沖に移動しても好転せず。上がってくるキスが18~20センチと良型なのが救いか。

 周囲が薄暗くなった頃、記者のキス仕掛けにアナゴが掛かった。船中第1号のキセキ。30分以上早いフライングで、注目されたがただただ恥ずかしい。これを機に少し早めだが、船長判断でアナゴ狙いに切り替えた。

 船の移動ナシ。タックルと餌はそのまま。仕掛けを片天から釣り鐘オモリにチェンジするだけと楽々。釣り方もほぼ同じで、当たりが来たら一呼吸待って巻き上げてくればOK。アカクラゲ地獄は少し減ったが、最後までやまず。水野さんの父・勝さん(65=自営業)が秘密兵器を披露してくれた。「この歯ブラシで1カ所に寄せてから外します。もう少しブラシにコシがある方がいいかな」。この日の釣果はキス13~23センチが7~12匹、アナゴ25~45センチが1~12匹。2種合計で“ツ抜け”ならまあまあか。遠くに見える京浜工業地帯の明かりがにじんで見えた。

 ○…帰港後、指先がピリピリすることに気が付いた。素手でアカクラゲの触手を取っていた際に毒バリに刺されてしまったようだ。触手を取った後の手は、こまめに海水などで洗い流すことが必要。くれぐれも顔や目に触れたりしないよう注意したい。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、川崎・中山丸=(電)044(233)2648、出船は午後2時、乗合料金は1万円。火曜定休日。

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