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J降臨!イニエスタ“本気の31分”初陣黒星も神戸沸かせた

[ 2018年7月23日 05:30 ]

明治安田生命J1第17節   神戸0―3湘南 ( 2018年7月22日    ノエスタ )

<神戸・湘南>後半、パスを出すイニエスタ(撮影・中村 与志隆)
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 神戸に新加入したスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34)が22日、ホーム湘南戦でJリーグデビューを果たした。後半14分からピッチに立ち、世界基準のパスを連発。試合は0―3で敗れたものの、観戦に訪れた三木谷浩史会長(53)の前で、年俸32億円(推定)の史上最高額助っ人の実力の一端は見せた。また、鳥栖に新加入した元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス(34)も初めてJリーグのピッチに立った。

 一人だけ、異次元の世界でボールを蹴っていた。歓声がスタンドを震わせた後半14分。2点ビハインドの局面でイニエスタがJリーグのピッチに立つ。MAXに膨らむ期待感。世界屈指の名手は、全ての想像と予測を超えるパフォーマンスを繰り出してきた。

 4―3―3の左インサイドハーフに入った注目の初陣。ファーストタッチで、いきなりドリブル突破から右サイドの安井へピンポイントパスを出した。早速、どよめきを誘うと、無駄のない動きから右へ左へボールを散らす。最良のプレー選択を可能にするのは広い視野。MF田中が全く反応できなかった“キラーパス”も繰り出すなど、32億円助っ人の凄みを表した。

 「デビュー戦を迎えられてうれしく思う。ただ、(0―3の)結果は残念。負けることは好きじゃないので」

 静かな語り口調の中に、戦う男のスピリットが潜む。名門バルセロナで歴代最多の32タイトルを獲得し、スペイン代表でも10年W杯を制覇。常勝軍団で戦ってきたメンタリティーは、悲願のタイトルを狙う神戸に最も欠けているものだ。

 「魔法使い」と形容されるピッチ上と違い、気さくな人柄はスター特有のオーラとは無縁と言っていい。18日に来日し、20日からチームに合流。クラブハウスでは積極的に自分から話しかけ、一緒に写真を撮るなどコミュニケーションを図ろうとした。今、背番号8に最も必要なのは時間。日本のスタイルと暑さに適応し、プレーの相互理解を深めるための猶予だ。

 「何%とは言えないけど、まだコンディションは万全ではない。次戦?これからみんなと練習していけば、今日より長い時間プレーできて、良くなる確信はある」

 この日は長年スペイン代表で一緒にプレーしたF・トーレスも鳥栖でデビューした。「ずっと大切な友人。彼も日本でデビューできてうれしい」。次節の柏戦(28日、ノエスタ)は先発出場が濃厚。ファンだけでなく、戦う選手さえ魅了しながら、イニエスタはJの歴史を変えていく。

 【アンドレス・イニエスタ】

 ☆生まれ 1984年5月11日、スペイン・アルバセテ生まれの34歳。

 ☆サイズ 1メートル71、68キロ。利き足は右。スパイクはナイキ。背番号8。MF。

 ☆バルサ一筋 96年に12歳でバルセロナの下部組織に加入。02年に18歳でトップチーム初出場し、通算で16季プレー。公式戦674試合出場はクラブの歴代2位。

 ☆タイトル メッシとともに国内リーグ9回、欧州CL4回などクラブ歴代最多の32タイトルを獲得。

 ☆スペイン代表 06年にデビューし通算131試合13得点。W杯は06年ドイツ大会から4大会連続出場し、18年ロシア大会後に代表引退を表明。10年大会決勝戦で決勝点を決めるなど初優勝に大きく貢献。08、12年欧州選手権連覇。

 ☆家族 12年に結婚したアンナ夫人と1男2女。

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