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エジル選手が独代表引退 トルコ系、差別に抗議

[ 2018年7月23日 19:48 ]

 サッカーのドイツ代表でトルコ系のMFメスト・エジル選手(アーセナル)が22日、民族差別を理由に代表引退を表明した。29歳のエジル選手は「差別は受け入れられない」との声明を公開。4年前にワールドカップ(W杯)優勝に貢献したスターの抗議を込めた「別離」で、民族間の溝がさらに広がることも懸念される。

 エジル選手は、連覇を期したが1次リーグで敗退した先のW杯ロシア大会開幕前にトルコのエルドアン大統領と撮った写真を巡り、ドイツ国内で批判を浴びた。声明ではエルドアン氏への表敬訪問に政治的意図はなかったとする一方、移民の子孫としてドイツとトルコの「二つの心がある」と記した。

 ヨアヒム・レーウ監督ら代表チームへの感謝を口にしつつ「これ以上、ドイツ代表のユニホームを着たいとは思わない」と明言。自身を軽蔑するような態度を取ったというドイツ・サッカー連盟のグリンデル会長への不信感もあらわにした。

 元ドイツ代表主将のローター・マテウス氏が他国のリーダーと面会してもドイツのメディアが批判しない点や、ルーカス・ポドルスキ選手(神戸)らポーランド系の血を引く元ドイツ代表選手と自身の扱いに差があることにも言及。「トルコだからなのか。イスラム教徒だからなのか」と疑問を呈した。(共同)

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2018年7月23日のニュース