テン乗りの菜七子!9番人気で完勝しJRA通算50勝達成

[ 2019年2月10日 05:30 ]

小倉8Rを勝ちJRA通算50勝に到達した藤田菜七子
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 “テン乗りの菜七子”だ。藤田菜七子(21)が9日、小倉8Rで9番人気ワイプティアーズ(牡4=加用)で勝利。自身4度目の3週連続Vで、JRA通算50勝目を挙げた。JRA女性騎手史上初のG1騎乗となる「第36回フェブラリーS」(17日、東京)に向けて、弾みをつける節目の勝利ともなった。 

 節目の勝利ではあっても、通過点に過ぎないからだろう。カメラマンから両手で“50勝ポーズ”をリクエストされた菜七子は「嫌です」と申し訳なさそうに断った。

 「私自身、(JRA通算50勝は)特に気にしていなかったけど、勝ててうれしいです」

 この日は2、4、5Rと騎乗機会3連続最下位で幕を開けたが、メモリアル白星は8R。ワイプティアーズと好発を決めて先頭集団につけると、3、4角の中間で手綱を動かし、4コーナーで2番手に押し上げた。左ムチを入れると、先行していたマイネルズイーガーを直線半ばでかわし、1馬身1/4差をつける完勝。「思っていた通りの位置で運べた。少しズブさのある馬で、早めに追いだしましたが、最後まで粘ってくれました」と頬を緩めた。同馬にはテン乗り(その馬に騎手が初めてレース騎乗すること)にもかかわらず、エンジンの掛かりが遅い特徴を把握し、相棒の能力を引き出した。

 これでJRA50勝中21勝、特に今年に入っての全3勝全てがテン乗りだ。熟知していなくても勝てる。それは予習のたまものだ。菜七子は「普段は音楽を聴いているが、レースを前にした移動の車中などでは騎乗馬の(過去のレース映像の)動画を見ています」と言う。

 さらに菜七子自身が「長所にしていきたいのは(馬への)当たりの柔らかさ。馬がカッとなったときに、押さえ込むのではなく、いなすような感覚ですね」と語ったことがあるように、この当たりの柔らかさがテン乗りの馬の新味を引き出す秘密の一つだ。G1初騎乗となるフェブラリーSでもコパノキッキングにテン乗り。懸念する声も聞かれるが、今の菜七子なら大きな不安材料にはならないだろう。

 ワイプティアーズの母はナミダガキラリで、馬名は「涙を拭いて」の意。涙といえば、レースで決して泣くことがない菜七子が一度だけ泣いたのが16年4月10日のサニーデイズに騎乗してのJRA初勝利。ウイナーズサークルでのファンの祝福の声に感極まった。G1初騎乗初勝利となれば、東京競馬場は「ナナコ」コールに包まれる。その時、再び涙を流すのだろうか。

 ◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年(平9)8月9日生まれ、茨城県守谷市出身の21歳。16年3月5日、美浦・根本厩舎からJRAで16年ぶりの女性騎手としてデビュー。同年4月10日の福島9Rサニーデイズで初勝利(51戦目)。1メートル57、45キロ。血液型A。空手初段、剣道2段。趣味は寝ること、読書。愛読書は伊坂幸太郎氏の「マリアビートル」。好きな食べ物は肉、スイーツ。好きな歌手は、One Direction(ワン・ダイレクション)、好きな俳優は三浦春馬。

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